「熊谷市」 の由来

こんなことでに有名になるのは、きっと自分が住む街だったら不本意じゃないかと思う。

「埼玉県 熊谷市」

私は関東に住んでいるから夏は特に聞く名前なんだけどもはや全国規模でその名前は知れているんじゃないだろうか。
熱いんです。暑さでね。
そりゃ~もう40度近いから、いづれは砂漠とかになってしまうんじゃないかって見ず知らずの自分ですら心配し始めるほどとにかく暑いらしい。
もちろんその日に全国で一番暑い場所ってのは移り変わるはずだけどおそらく夏の平均気温を出したら間違いなく全国で一番じゃないかな。
あの市の庁舎の前の温度計の中継とか、みるだけで暑いからやめてほしい。
映さなくていい。
その日に行かなくちゃならない人とかいても間違いなくリピーターにはならないと思う。

会社の上司に「あ、今日~君。熊谷ね。」なんていわれたら相当テンション落ちるんだろうな。
残念ながら私、熊谷には全くご縁がなくて移動中に通ったことがあるくらい。
だから「熊の谷」って言われても、そんなものは北海道じゃないんだからないだろって当たり前のことを返す程度の知識しかないので今日は「熊谷市」の由来を調べてみる。

■熊谷市の由来

熊谷市(くまがやし)は、埼玉県北部にある人口約20万人の市。
地図を見ても分かるようにほぼ群馬。
埼玉県北部地区を代表する都市であり、人口は県内第9位。
農業産出額は県内第2位、商品販売額は県内第3位、製造品出荷額は県内第4位と埼玉県北部における経済上の一大拠点をなしているのが熊谷市。
どの数字も立派であの埼玉にあってだから、きっとすごいのだろうけどやっぱり行ったことが無いから詳しくはわからないのですみません。

そんな熊谷が突如日本一となりました。
事件は2007年8月16日14時42分に現場で起きた。
日本国内の最高気温となる40.9℃を観測したのである。
(ただし岐阜県多治見市においても同日14時20分に同気温を記録)
更に2011年6月24日には、39.8℃を観測。
国内での6月の最高気温を20年ぶりに更新とのこと。
まだまだこれからも記録更新の可能性はありますね。

東京に近く、歴史的に古くから熊谷という地名が知られていることも重なって「日本一暑い」として知られているようになりました。
コンクリートジャングルが暑くなるのは分かるけど、それがなぜ首都東京でなく熊谷市なのか。それは、海風に乗り北上してくる東京都心のヒートアイランド現象により暖められた熱風と、フェーン現象によって暖められた秩父山地からの熱風が、ちょうど暑くなる午後2時過ぎに熊谷市の上空付近で交差するためだと考えられているとのこと。
「熱風の交差点」と呼ばれているらしいが私ははじめて聞きました。

暑いからとただ黙っているわけにはいかない。
ってことで市ではこの知名度を逆手にとってまちづくりに利用しているのだそうです。
それが「あついぞ!熊谷 熊谷新時代まちづくり事業」。

あついぞ!熊谷は、2006年度より開始している事業で、人の熱さにも繋げたまちづくりを目指しています。
市民などから企画を募集し、その支援を行っているとか。
マスコットキャラクターとして「あつべえ」の開発や、立正大学と共に立ち上げた「あついぞ.com 」などがそれ。
2008年度からはヒートアイランド対策にも力を入れているらしい。

■「熊谷市」の由来

熊谷という地名の由来はいくつかあるらしいが、どの説であっても、平安時代後期には既に地名となっていたということは間違いなさそう。
歴史が深いというのはこのへんからも伺える。

一つ目は熊谷直貞(当時の平直貞。熊谷次郎直実の父)という人がいたそうで、この人、なんとこの地域に存在した熊を退治したというのです。
ええ!?熊いたんだ!と驚きを隠せないのですが・・・熊殺しの直貞みたいな感じ?
ただし、直貞さんが熊谷という姓を名乗るようになったのは熊谷が地名となった後のことだそう。
その辺は誤解がないように記しておく。

次に、神谷(くまけや)より。高城明神の鎮座によるものという説。
つまり、谷に高城明神があったからということなのでしょう。
神の谷から方言かはわかりませんが「くまけや」となり、更に「くまがや」ということでいいのかな。

最後は曲谷(くまがい)からという説。
この地域において荒川が大きく蛇行し、曲がりくねっていたことから曲谷呼ばれたとのこと。
未だに曲がりくねってたら暑さに水害に大変なことになってましたね。
どれも平安時代らしい説で、どれもそれなりに根拠があるようで珍しく俗説のない諸説な気がします。

でもほんとに熊いたんだね。 笑

最後にちょっとした誤解の情報を入れておきます。
「熊谷」を発音するとき、我々は「く*ま*がや」と“ま”にアクセントを持ってきて発音すると思います。
ただ、これは地元の人にとっては違和感のある発音なのだそう。

地元の発音では「く*まがや*」と“まがや”を強く発音(かわごえと同じ発音)するのだそうです。
NHKのアナウンサーは正しく発音しているそうで、“稀に”民放のお天気キャスターでも正しく発音している人がいるらしい。えらい!勤勉家!

言われてみて私は納得してしまいました。
確かにテレビで「くまがや」の発音について違和感を覚えたことがありました。
こういったことにもさすがNHKと唸らされます。
自分がその立場だったらきっと頭がこんがらかってしまうのできっと小さい声で濁してしまうんだろうな。
もちろんかわりに「*暑い*」だけは力いれて言いますよ。
行ったこともないのに確信を持ったドヤ顔でね。


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

3コメント

  1. 河童工房 - 2017年4月24日, 5:22 PM Reply

    勉強になりますた

  2. 毛 - 2019年4月16日, 9:32 PM Reply

    神谷で「くまけや」というのは他では聞いたことが無いですね。
    埼玉あたりの言葉だと「谷」は「や」「やつ」と読むものが多いと思われ、漢音では「コク」なので「や」「やつ」も古い日本の音なんですよね。
    なので、神=「くまけ」という事になるのですが、クマケ神といえば三毛入野命という神武天皇の兄で高千穂神社の祭神であって高城神社とは関係が無いですし、この説を唱えた人が混同していたのだろうか…とか。
    まぁ、熊谷次郎直実の氏神だからという所と関連しての連想じゃないかと思うのですが…。

    こいう地名は基本的に今の広大な地域を指しての名称じゃないんですよね。
    もともと一つの村の名前だったものが、現代になって住所や地方自治体をまとめるにあたって適用範囲がどんどん大きく成っただけで。

  3. はなうめ - 2022年2月6日, 2:50 PM Reply

    熊谷は、クマガイ氏であるようで、漢字は意味をなしていないことが多く。
    クマは、熊ではなく、隈(すみの意味)の場合が多いのですが、曲(クマ)と解釈で来るようです。
    荒川は熊谷の南を流れていますが、古くは北を回って元荒川の筋に流れていました。
    曲がった所と解釈するのが妥当なようです。
    ガ(ヶ)は、格助詞で、ノのような意味です。
    イは、井戸のイと同じで、水くみ場の意味です。
    「曲がった所の水くみ場」となります。
    湿地との解釈もあるようですが、谷ヤからの様で違うでしょう。
    ガイを開発のカイとする説があるようですが?
    カイは、音で、日本語ならヒラキなので俗説?

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