「三ツ矢サイダー」 の由来

皆さんは自動販売機やコンビ二で買う飲み物で迷うことはないですか?
私の場合胃が弱いこともあり、何も考えずにいつもどおりにコーヒーを放り込むなんてことはありません。
緑茶やウーロン茶などを買うこともほとんどありません。
なぜなら、外に出たときくらい普段飲めないものを飲みたいし、特に定価販売の店や販売機で、ドラッグストアなら88円ほどで買えるお茶を買うという行為がなんとなく腑に落ちないからであります。
ただのケチ。

そんな変わり者の私は、夏なのにホットを買ったり、果物ジュースの紙パックが車のドリンクホルダーに入らなくてイラついたり、同じ定価なら酔っ払ってやれとアルコール類を買ったりめちゃくちゃで統一性の無い買い物が常であります。

唯一定期的に買うのが炭酸。
たまに欲しくなるんです。
コーラやファンタ、キリンレモンなんてのもあるけどなぜかいつも三ツ矢サイダー。
理由はなんだかあの定番デザインのお馴染み感が、コーラなどにはない日本ぽさを感じるのと余計な味がなく、「炭酸飲んだぜ」って気分に一番浸れるからだと思います。

ただ、調べてみると現在販売されている清涼飲料水の中では老舗であるものの、三ツ矢サイダーは「日本最古のサイダー」ではないのだそうです。
日本のサイダーのはじめは、明治元年(1868年)横浜の外国人居留地でイギリス人であるノース・アンドレーさんが製造販売したのがそれなのだそうです。
本格的に流通したサイダーの元祖は、明治32年(1899年)横浜扇町の秋元己之助さんが売り出した「金線サイダー」というものだと言います。

三ツ矢サイダー登場の8年前のこと。
大正4年になって横浜蓬莱町に金線飲料株式会社が設立されますが、大正14年には日本麦酒鉱泉株式会社に合併。
金線サイダーと三ツ矢サイダーは兄弟銘柄となります。
しばらくは併売されていましたが、三ツ矢サイダーに統合される形で金線サイダーの製造が打ち切られたのでした。
つまり流れは汲んでいますが、元祖とは言い切れないということのようです。
現在の三ツ矢サイダー(みつやサイダー)は、様々な歴史の流れのすえ(合併、吸収)アサヒ飲料が発売している炭酸飲料として、同社の登録商標となっています。

■「三ツ矢サイダー」の由来

地名ではない、創業者の名前でもない・・・
では「三ツ矢サイダー」はどこからきたのでしょうか?
話は平安時代中期にまでさかのぼります。
摂津源氏の祖源満仲が住吉大社の神託に従い三つ矢羽根の矢を放ちます。
その矢の落ちた多田(現在の兵庫県川西市多田)に居城を建てたという伝説があるのだそう。
満仲はこの矢を探すのに功労が大きかった孫八郎という男に、褒美として領地と「三ツ矢」の姓と三本の矢羽の紋を与えたのでした。

満仲がある日鷹狩りに出かけた時の話。
居城近くの塩川の谷間で、一羽の鷹が湧き出ている水で足の傷を治して飛び立つのを目撃したのでした。嘘のような本当の話。
この湧水は霊泉としてあがめられ、明治初年頃まで「平野温泉郷」として存続していたらしい。
その平野鉱泉は、ちょうど三ツ矢家の領地でありました。
明治期になると政府は、来訪した外国要人に提供する良質な水を探すため日本全国で水質調査を行うのでした。

明治14年にイギリス人理学者ウィリアム・ガランが平野鉱泉の水を分析したところ、炭酸ガスを多く含む理想的な鉱泉であることが判明しました。
出ました!炭酸ガス。
長い話でしたが、なんとなく結びついてきましたね。
そこに炭酸水を汲む御料工場が建設され、その工場は後に三菱に払い下げられました。
権利を得た明治屋が明治17年に三ツ矢伝説から名称を取り入れた「三ツ矢平野水」と「三ツ矢タンサン」を発売します。
こうして「三ツ矢」の商標が確立していったのでした。
ちなみに広辞苑では「平野水」は炭酸水の代名詞として記載されているのだそうです。

やはり三ツ矢サイダーの歴史は深かった、と一言で終わらせるのもどうでしょう。
会社は変わっても「三ツ矢」が大切に引き継がれていることは大変すばらしいことだと思います。
これからも、いつまでも、引き継がれていくことを願って明日もあさっても私は三ツ矢サイダーを買うことでしょう。


三ツ矢サイダーレシピ


アサヒ 三ツ矢サイダー 250ml 缶×30本





著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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