「ドント方式」 の由来

私の身近でアメリカの大統領選挙に話題が沸騰。
あの選挙方式は一体何なのだろう。
州ごとにオバマさんとロムニーさんが戦い、勝利するとその選挙人の数を総取りできる。
一対一の戦いだから、最終的には過半数を獲得すると勝利が確定する。(間違っていたらすみません)
友人の一人はこれで世界が変わるのだから大変だという。
どこの州もほとんどが接戦なのもすごい。
しかし、この勝利したら総取りというシステムがいまいち理解できないという話になった。
負けた候補者にいれた四割前後の票は無効同然となる。
大きな州は選挙人の数も多いから、実質その州をおさせたほうが勝利となるわけで、パワーポイントが決まっているというのも腑に落ちない。
日本で言えば東京と大阪だけで勝利すれば半ば買ったも同然というやり方となる。

選挙方式というのはそれぞれの国で違っているようで、例えば日本の代表的なものにドント方式というものがある。
ドント方式(どんとほうしき)とは政党名簿比例代表において、議席を配分するための最高平均方式 (highest averages method) のひとつである。
この不思議な名前は、ベルギーの数学者ヴィクトル・ドントさんから名づけられた。

この制度を使用している国は日本以外にアルゼンチン、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チリ、コロンビア、チェコ共和国、エクアドル、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、イスラエル、オランダ、パラグアイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スコットランド、スペイン、トルコ、ウェールズなどなど。
他にもこの制度は北アイルランド自治政府の閣僚ポストの配分や、ロンドン市議会の「補充」議席、欧州議会選挙のいくつかの国の配分にも使われているらしい。

この制度の特徴は、各政党の1議席あたりの得票数順に議席を割り当てることに重きを置いていること。
他にも一般に普及している方式ではサン=ラグというものもある。
サン=ラグ方式は、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ラトビア、コソボ、ハンブルクなどで使用されている。
これだと序数の増分を変えることで小政党も議席を獲得しやすくなるという。
これもやはりフランスの数学者アンドレ・サン=ラグさんの名前に因んで付けられた。

他にもジェファーソン方式というものもある。
アメリカ合州国の政治家トーマス・ジェファーソンに因んで名づけられた。
選挙制度の由来には、考案した人物の名前が多いようである。

もちろんこれだけではなく、いくつかを併用した方式も存在する。
要は選ばれる側の有利な方式を各々の国が選んでいるようにも見えるのは私が日本のやり方を基準に見ているからなのだろうか?
そもそも現在の選挙制度に我々は満足しているのだろうか?
分かりづらいと感じることはないですか?

さて話を戻してアメリカ大統領選挙。
州で破れた候補者の票が無駄になるといったけど、日本で最近論じられている「一票の格差」ってどうなんだろう。
あまりにも日本人らしい「平等」の考え方なのかもしれないですね。
今の総理大臣の選挙区が問題だって話を聞いたことはありますか?
一票の格差に問題のある選挙区の政治家が国の代表だという。
支持率は二割をきっている。
いやもしかしたら選ばれるべき人材でない可能性もある。
違憲の選挙区から出た候補者なのだから。
こうして客観的にみると、やはり捨て票が出ても国の代表に民意が反映されているアメリカのほうが全うな選挙をしているのかもしれないと感じるのは私だけだろうか?


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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