「片栗粉(かたくりこ)」 の由来
私の母親の大雑把振りには閉口させられます。
先日材料持ち寄りでパーティをやることになり、(クッキングお見合いパーティではないですよ)
私もいくつかの食材を受け持つことになりました。
買いに行く前に実家で調達できないかと立ち寄って母に相談すると、可能なのものは出してくれることになりました。
それに甘えた自分が間違いでした。
いざ、会場について材料をあずけてお茶を飲み始めるやいなや、悲鳴と笑い声が響いてきました。
「誰だよ、この片栗粉持ってきたの~。」
「んん?」
それを持ってきたのは私だったので、すぐに現場に向かいました。
見ると・・・その片栗粉はなんと五年も前のもので賞味期限もだいぶ前に切れていました。
苦笑いをする私を皆が半ば呆れながら慰めますが、私はその恥ずかしさをぶつける場所の無い途方も無く長い時間を、気まずく過ごしたのでした。
料理もしない、親任せにした自分が・・・悪いのですが・・・
■「片栗粉」の由来
笑えない事実、実は私は片栗粉が何かをよく知りません。
片栗粉(かたくりこ)とは、植物のデンプンを精製した調理用の粉の一種。
そんな世間の常識に感心していて、皆さんには更に呆れられてしまいそうですが・・・
片栗粉の原料は、日本の北東部の原野に自生するユリ科のあのカタクリの根茎からとれる澱粉なのだそうです。
そのため「片栗粉」とよばれているのです!
全く知りませんでしたし、驚きです。
実は親戚に山野草の好きなおじがいて、よくうちにも運んできました。
あの花が、片栗粉の原料だったとは・・・貴重だって聞いていたけど・・・
しかし現在では市販品の多くはジャガイモのデンプンから作られているといいます。
その理由は、カタクリの自生が減少しているためで、性質の似ている「馬鈴しょ」の澱粉を総称して片栗粉とよばれてるようになりました。
確かに、カタクリの花はその減少から貴重で群生地は観光名所にもなるといったニュースを以前聞いた気がします。
そのカタクリの由来についてはいくつかある中から二つほど。
「傾いた籠状(かごじょう)の花」の意味から「カタカゴ」とよばれ、この「カタカゴ」から「カタコ」→「カタコユリ」→「カタクリ」になった説が一つ。
もう一つは、カタクリの葉の形が栗の子葉(しよう)に似ていることから「片栗」となった説がもう一つです。
こう書きながら気付いたのですが、つまるところ・・・
親戚のおじのような、自生を勝手につんできてしまう人たちがカタクリを貴重な存在に仕立て上げてしまったようです。
花が綺麗だとはいいますが、まさか料理にも使われているとは夢にも思いませんでした。
しかし、食品に転用したのが人間なら、その存在を貴重にしたのも人間。
どれも人間の勝手のようですね。
次にカタクリの花に出会える日がきたら謝りながら拝んでみようと思います。
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