「Cat Street(キャットストリート)」 の由来

キャットストリートという場所をご存知でしょうか?

それは香港にある通り、摩羅街(Lascar Row)の別名。
それはイギリスはオックスフォードにある通りの名前。
もちろん他にもキャットストリートという単語は、2008年にNHKでテレビドラマ化された神尾葉子さんの漫画のタイトルにもありますが、今日取り上げるのは通りの名前である東京都渋谷区にある旧渋谷川遊歩道路の愛称・俗称である「Cat Street」について話を進めていきます。

実はこのネタはボスから直々に届いたものなのですが、よくよく考えて見ると私にも非常に馴染み深い場所でありました。

旧渋谷川遊歩道路(きゅうしぶやがわゆうほどうろ)は、東京都渋谷区にある遊歩道。
東京オリンピックが開催された昭和39年、暗渠化された渋谷川(穏田川)の上に作られました。
ブティックや飲食店など近隣の表通りよりも小規模な商店が集まっており「裏原宿」の中心となる通りのひとつとなっています。
そういったことからなのか、私も学生時代にはここをよく散歩していました。
気軽に立ち寄れる店が多く、当時はアメキャラ等のおもちゃやさんが多かったことを記憶しています。
週末には無許可のフリーマーケットが並び、情報発信基地として賑わいを見せていました。
しかしながら防災や建築基準法の観点から、1994年より車道も通るようなり状況も変化していきます。
先日訪れた時には、当時の店はほとんど残っておらず少し寂しい気持ちになりました。

■「キャットストリート」の由来

その由来は、もちろんその分かりやすい名称から、猫の出没が多いことから高校生たちが「猫通り」と呼んだというものに始まり、その場所が通りに挟まれているなど、猫の額のように狭いからという理由からそのように呼ばれるようになったという説などがひしめき合っています。
それらももちろん有力な情報でありますが、異を唱える意見があるといいます。

それは「ブラックキャッツ」というバンドの発祥地だったからというもの。

明治通りの宮下公園交差点から入っていくと、道を入って右側に黒い建物があるそうです。
この建物は原宿の町の歴史には必ず出てくるといわれる山崎真行氏のPinkDragonというお店。
私も一度か二度しか入ったことはありませんが、その存在は以前から知っていました。

先ほどの「ブラックキャッツ」とは1980年代初めにこのPinkDragonの店員を中心に結成されたロカビリーバンドの名前。
サードアルバムのタイトルには「Cat’s street」という言葉も刻まれています。
この店の表札には住所とPINKDRAGONの文字。
そしてその下には「CAT STREET」の文字が刻まれているそうです。

昔から街の発展の歴史は若者やバンドなどの勢いが後押ししている気がします。
切り開くのが突き進むのが何事にもとらわれない若者の特権であり、またそれを押し込めようというのもいつの時代にも存在する世間という権力の塊なのです。

渋谷はいつの時代も若者の街。
通りの名前の一つにそのような由来があってもおかしくないし、逆にそれがあったほうが渋谷らしくていい気がします。
今の渋谷は私の知る渋谷とはだいぶ違ってしまいましたが、それが「今」の若者の渋谷であることに何の違いもありません。


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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