「ひやかし」 の由来

皆さんは何も買わないウインドショッピングは得意ですか?
私は苦手です。買うことの前提がなければお店に入るのが憚られます。
でも身内に一人いるんです。上手な人が・・・しかも・・・

デパートといえば地下食品売り場。デパ地下といえばちょっとした流行の発信基地。
そこには魅惑的ないわゆる持ち帰れるおいしいものが盛りだくさん。
デパートのグレードによって店舗も変わるので、一流デパートの地下は、もはや地方の小奇麗なレストランを軽く上回ります。

地方に住む私が、たまにそういった場所へ飛び込むと目移りしてしまい、最初に見つけた店で買い込んでしまうために、後で他の店を見たときに後悔するといった具合。
買えるのはやはり、一食分かお土産程度なので苦渋の選択が強いられます。

そんなデパートで、都内にすむ「都会のねずみ」である従姉妹と買い物に行ったときのお話。
彼女は財布をにぎりしめて地下へ突入しました。
ところが・・・一店舗目、二店舗目・・・三店舗目・・・
何かを探しているようなそぶりなのですが、一向に買おうとはしないのです。
そういった感じで全ての店舗を流していきました。

ところが・・・店で出された試食だけは全ていただいて来るという厚顔ぶりなのです。
まぁ私も付き従ったので人のことは言えませんが・・・
ついに財布は口をあけることなく、それとは逆にお腹はいい感じに満たされました。

「さて、その辺でお茶でもしよっか。」

何も無かったかのように彼女は呟き、地上へと戻っていくのでした。
「ひやかし」その言葉はその時の冷え切った私の表情をあらわす言葉かと思ったものです。

■「ひやかし」の由来

「ひやかし」は紙すき職人から来た言葉だといわれています。
江戸時代に吉原遊郭に近い川で紙を漉いていた職人達が、紙の原料を水に浸して「冷やかし」ている間、遊郭に出かけて張り見世の遊女を見て回ったのだそうです。
もちろん仕事中なので、からかったり品定めするだけ。
遊女が声を掛けても、もちろん上がる事はありません。
やり手婆(遊郭で遊女の指導・手配などをする女性)が「ありゃ、(紙を)冷かしてんだよ」と遊んでいかない理由を遊女にいちいち教えていたといいます。
そこから買い物もしないで店先を覗くだけのことや店に入っても買わずに見るだけの事 を「ひやかし」というようになったというわけ。

私が「ひやかし」が苦手なのは、相手が買わない自分に対してどんな感情を持っているかが手に取るように分かったしまうからです。
だから、逆に最初からやる気の無い店員の前では大きな態度をとるようにしています。
買ってもらうだけの接客ができてないのだから当然といった具合にです。
着て見たいものは試着するし、使ってみたいものは手に取ります。
逆に、これ以上に無い至れり尽くせり接客だと必要の無いものまで買ってしまうといった始末。
それはそれで困った客ですね。

紙すき職人たちはも、ちろんただの時間つぶしだったのでしょう。
でもそんなことをしていた職人達の腕の方はどれほどだったのでしょうか。
時間つぶしをするほど集中していない職人の技には多少疑問が残ります。

一方、私の従姉妹はというとれっきとした用事があったのです。
それは、腹を満たすということ。やはり「ひやかし」より「したたか」の方でしょうか。
「ひやかす」のは暇なとき。これは今も昔も変わらないのかもしれません。
でも自分の人生には暇つぶしはないといいたいものです。
それだけ時間にも縛られたくないし、一つ一つに意味が無いとは言いたくありません。
少し真面目に語りすぎたかな?


ひやかし


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著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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