「鉄火巻き(てっかまき)」 の由来
並でも上でも特上でも、とにかく寿司を一人前頼むと必ずついてくるのが、そうガリ。
じゃなかった、鉄火巻き。これが今日のテーマ。
もちろんかっぱ巻きや卵も付いてくるけどそういった細かいことは見逃してくださいね。
私は一人前を食べるとき、鉄火巻きの扱いにいつも困ります。
どのタイミングで食べるべきか、全部一緒に食べるべきか。
というのもその大きさは小さいから一口というよりは小口くらいの大きさでしかなく、できれば二つ一緒に口に放り込みたい。
でもそれだとお上品でない気もするし、いざ少しとっておいたなら片付かないから気になって気になって・・・
でもそんな彼らの存在が有りがたいのが、通夜振舞いのお席。
友人と一緒なら遠慮なく桶のお寿司をパクパク、ビールをガツガツ行きますが仕事とかほとんど会わない親戚と同席したときなど、微妙に気を遣う相手が一緒の席だと箸を中々運べないものです。
話が途切れないように大きな口で頬張ることもできないし、中トロばかり手を伸ばしたり、うにばかりに箸をつけるわけにはいきません。
他の人の視線が気になってしまいます。(あの人高いものばかり ガツガツハシタナイ)
そんなときにお役立ちアイテムが、鉄火巻き。
大きさも程よく食べやすいし、いくつも食べることで間が持つので大変便利です。
そんな私は考えすぎ?気を遣いすぎ?なのでしょうか。
■「鉄火巻き」の由来
全く知らなかったのですが、鉄火巻(てっかまき)は江戸前寿司の一種なのだそう。
では関西方面にはないってことなのでしょうか?
鮪の赤身を芯とし、これを酢飯と海苔で巻いたものがそれ。
マグロの需要が少ない長崎県では、ブリ・カンパチ・ヒラマサといった白身の魚を芯にした白い鉄火巻も存在すると言います。
これはみてみたいものですね。
名前の由来はいくつかあります。
マグロの赤身の色が熱せられて赤くなった鉄に似ているからという説が一つ。
マグロを生で食べる習慣がなかった時代、それを寿司ネタに使うことが熱した鉄に触るようくらいとんでもないことであるとされたことからそう呼ばれるようになったという説が二つ目。
最後に、賭博場がその昔鉄火場と呼ばれていた時代に博打をしながら食べられる手軽な食事として用いられたことからそう呼ばれたという説。
一つ目と三つ目がこの中でも有力とされていますが、実は正解は一つ目の見た目から来た説。
「鉄火」はもともと真っ赤に熱した鉄を指しました。
マグロの赤と山葵の辛さかを「鉄火」に見立てたと言います。
気質の荒いものを「鉄火肌」や「鉄火者」というのと同じように賭博場の「鉄火場」についても、熱した鉄のように博徒が熱くなることからつけられた名前なのだそうです。
なるほど!私の経験から言ったら「葬場巻き」になるところでしたがそのような理由からならやはり「鉄火巻き」です。
冷たい寿司なのに「鉄火巻き」そこにはたくさんの熱いドラマがこれからも紡がれることでしょう。
すし―The SUSHI recipe book うちで作ろううちで食べようおうちSUSHI
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