「酷い」 の由来
残酷、むごい、程度が非常に悪い・・・そういった状況を「酷い(ひどい)」といいます。
「ひどい」は「非道(ひどう)」が形容詞化された「非道い」からきているのだそうです。
非道とは、人としての道理から外れていることを意味する漢語であります。
「非道」と聞くと私はプロレスラーを思い出します。
もちろん悪者ヒールのレスラーで、先輩である邪道・外道と共に活躍したレスラーです。
どのかたもすごい名前でしょう。
(ちなみに非道さん プライベートではリング上のキャラクターとは一転、大の愛犬家らしい)
だからといって特にこれ以上何も出てきませんが、何がいいたいかというと「非道」の持つイメージは悪の極みといった感じではないでしょうか。
歴史を踏まえた流れとしては「非常識」から「残酷」「むごい」といった言葉が生まれ、更に意味が悪く進化し「ひどい」が生まれたといいます。
ということは、「残酷」よりも「酷い」の方が強い言い回しと考えていいのでしょうか。
そして、そういった流れから一転、最近は「ひどく感銘をうける」といった好ましい場合にも用いられるようになってきました。
こういった用例は「全然~ない」が「全然~ある」というように変化した経緯にも似ているのかもしれませんね。
しかし、その由来が「非道」から来ていることを知ると、「ひどい」はやはり状態・程度が好ましくない場合に用いられるのが適当だと私は思います。
今日は実のところ「残酷」の由来について調べるはずでした。
理由は小さい子供がアリの列を踏みしめて遊ぶのを母親がそんな残酷なことはやめなさいと叱っていたことからです。
まぁアリなんてそんなことでは簡単に死なないから大丈夫だよと一瞥して通り過ぎた私はというとカエルの口に爆竹をくわえさせて破裂させていたくちです。
これこそが「ザ 残酷」ストーリー。
もちろん子供の頃の話ですよ。
「残酷」を調べてみると「残忍」「残虐」といった似たような表現が登場し、更に同義語を調べてみると、むごい・むごたらしい・ひどい・陰惨な・非道な・非人間的な・非人道的な(扱い)・情け無用の・(~を)虫けらのように(扱う)といったように、たくさんの言葉が出てきてしまいました。
きっと言葉の数だけ人間の想像力はたくましく、普段は考えられないような恐ろしい行動をとる生き物なのでしょうね。
これ以上言葉の一つ一つの違いなどを考えたら気が滅入りそうです。
「酷い」が「非道」からきたというのには正直驚きました。
それは「酷い」と言葉に出しても現代での酷いは他の言葉、例えば残酷などよりずっと軽く見えるからです。
それだけ現代人の感覚が麻痺してしまったのでしょうか。
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