「クヌギ」 の由来
クヌギの木を見ると蹴りたい衝動に駆られる。
私はもはや病気の領域に達しているのかもしれない。
小さい頃から虫取りをしてきたが、これ以上に彼らが集まる木は他にない。
クヌギは幹の一部から樹液がしみ出ていることが多く、カブトムシやクワガタをはじめ甲虫類やチョウ、オオスズメバチなどの昆虫がそこめがけて集まってくる。
オオクワガタもクヌギを主な活動拠点とするため、それらの名産地においては何時間もクヌギを見張っている光景が見られることも珍しくないという。
それは知らなかった。
その光景を想像するとなんだか不気味かも・・・
樹液が染み出すのには理由があるそうだ。それはシロスジカミキリが産卵のために傷をつけることから。
しかし近年ではボクトウガの幼虫が材に穿孔した孔の出入り口周辺を常に加工し続けることで永続的に樹液を浸出させ、集まるアブやガの様な昆虫、ダニなどを捕食しているという説が登場している。
なるほど、虫取りをしてきた私にとってはどちらも最もな説に思える。
またクヌギは、ヤママユガ、クスサン、オオミズアオといったヤママユガ科の幼虫の食樹のひとつなのだそう。
ウラナミアカシジミという蝶の幼虫はクヌギの若葉を食べて成長する。
このように様々な生き物が集まるクヌギを見つけたらとりあえず蹴ることを今日はお奨めしたい。
いいものもよくないものも、見たことのないものも空から降ってくるはずだ。
■「クヌギ」の由来
クヌギは、ブナ科コナラ属で北海道・南部から本州・四国・九州をへて沖縄まで広く分布している。
漢字では櫟、椚、橡などと表記し、高さは15-25mに達する落葉高木。
樹皮が暗い灰褐色で厚いコルク状で縦に割れ目ができているのが特徴。葉は長楕円形で縁にぎざぎざ。
材は炭やシイタケの原木に、樹皮・実は染料に使われる。
私は夏が専門なので意識をしたことはなかったが、新緑・紅葉が美しいらしい。
他のブナ科の樹木同様ににドングリがなる。大きさは直径が約2センチ。
クヌギの由来については、日本書紀の伝承説話からきた国木(くにき)、
ドングリが食べられることから食之木(くのき)、栗の木に似ていることからクリニギ(栗似木)、といったいくつかの説があるよう。
どれももっともな説でそれだけ昔から日本人の生活になくてはならない木だったということでもあるのだろう。
今日は調べてみることでよりクヌギの魅力を再発見することができた。
最後にお願い。
昆虫採取をしたい気持ちは私も理解できるけど、木を傷つけたり、倒して切り刻むといった乱暴な行為は慎むように皆で心がけよう。
クヌギの木にも命はあるんだよね。
そんな木を見ると気が滅入っちゃうからさぁ。
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