「イチョウ」 の由来

広島で68回目の原爆忌を迎えた8・6日、被爆地の焼け野原で生き延びたイチョウの苗木がスイス・ジュネーブにある赤十字国際委員会(ICRC)本部に植樹されたそうだ。
あの原爆の威力を考えると驚くべきことだが、私は最近イチョウの生命力の強さと言うものを勉強したので、このニュースに納得するところがある。

イチョウは大変生命力が強く、どこからでも根が出るようで枝を切って土に植えるとそこから下には根、上には芽が出てくるのだ。
大きな枝など伐採後放置してしまうと、いつの間にかそこに木がなんてこともありうる。

イチョウは年平均気温が 0 – 20℃の降水量500 – 2000mmの地域が最適だそうで、人為的な移植により世界中に分布しているのだそう。
寿命も長いといわれているが、樹齢が千年を超えるものはないのだそう。
そしてこれには驚くのだが、日本のイチョウは鎌倉時代以降に中国から持ち込まれたものだというのだ。
正直もっと歴史の古いものかと思っていた。

鎌倉時代、イチョウ とくれば数年前倒木した鶴岡八幡宮の大銀杏。
建保7年(1219年)1月27日、源頼家の子で八幡宮の別当を務めていた公暁がこの銀杏の木に隠れて待ち伏せ、源実朝を殺害したという伝説がある。
その事件から隠れ銀杏という別名があるそうだが、当時の樹齢を考えると人が隠れるほどの太さがあったかについては疑問が残る。
真偽は不明だが現存する木がそのような歴史の一ページに名を刻んでいるというのは大変ロマンなので、個人的にはそうあってほしいと願う。
といいながら拝見したのは倒れた後。切り株がありましたが、確かに大きかった。

■「イチョウ」の由来

そんなわけで日本のイチョウも中国からで、1000年の歴史は無いということはわかった。
その由来についてもやはり中国からきているようである。
「イチョウ」という発音の源は中国語にある。
中国では宋の時代、アヒルの足のことを「鴨脚」と書き「ヤーチャオ」と発音していたそうな。
さらに南部ではそれを「イーチャオ」と発音。
それがそのまま鎌倉時代に日本に伝わったと考えるのが妥当なようだ。

なぜにアヒルかといえば、それはあの独特の葉っぱの形。
アヒルの足、つまり水かきに似ているでしょ?
確かに紅葉の時期にはまっ黄色になって正にアヒル色!
国は違えど言われて納得ですな。

ちなみに日本語ではイチョウの実を指して「ぎんなん」と呼びますよね。
イチョウの漢字も「銀杏」。
これは「銀杏」の唐音読みである「ぎん・あん」が、連声(れんじょう)と呼ばれる現象によって
転訛したものなのだそう。(連声とは2つの音が連続するときの音変化のこと)

なるほど、だからお寺に多いのかと妙に納得するのだが、鶴岡八幡宮って神社だよね?
と思いなおし、小学校とかにあると実が臭くて大変だよねとか誤魔化しながら今日は終える。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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