「キンチョール」 の由来

虫は好きですか?
そんな質問、現代人には愚問と言えるのではなかろうか。

日本人の人口は都市部に集中しておりそこでみられる虫の種類など限られている。
蚊とか蛾とか、蟻とか・・・ダンゴ虫くらいは見られるのかな?
私は田舎育ちなので苦手な虫というものもなく、しいて言うなら昔飼いすぎたカブトムシは臭いしビジュアルもグロテスクだからあまり見たくないくらいで、害を与えてくるヘビやハチくらいが避けたい生き物リスト。
もちろん彼らも自分の生命の危機を感じて攻撃してくるわけなので特に刺激を与えなければ関り合いの無い生き物達である。

ところが今の人って、虫と見ればなんでも眼の色を変えて殺虫剤を吹きかける。
そういった姿に私は興ざめだし、何より虫をその場で秒殺するほどの効力が自分の体にでも入ったらと考えるとそちらの方が心配だったりする。

■「キンチョール」の由来

噂によるとキンチョールは相当効くらしい。
1934年の発売から今日まで支持され続けるロングセラー商品であることからもそのことは間違いない。

キンチョールは、大日本除虫菊(金鳥)から発売されている家庭用殺虫剤。
だが、当初は農業を専門で行なう人たちが用いる殺虫剤のように殺虫成分を油に溶かし、その液体を噴霧器で害虫に直射するタイプのものだったらしい。
名前の由来にもそのことが関係しているそうだ。

キンチョールはもちろん会社名の「金鳥」からきている。
とさかの真っ赤な鶏の頭をデザインした「金鳥」は、大日本除虫菊の創業者である上山英一郎氏さんがが、司馬遷の史記に出てくる「鶏口と為(な)るも牛後と為る無かれ」という格言から採用したのだそう。(なぜ「鶏」でなくて「金の鳥」なのかは、ハッキリした資料がないらしい。)

英一郎氏のひ孫にあたる上山久史常務によれば、「1番という意味で金をつけたのではないか」とのことだが正確にはわからないという。「キンチョール」は、この金鳥に殺虫成分を溶かすオイル(油)を加えた造語なのである。

ちなみに現在発売されている、一般的なエアゾールタイプは1952年から発売が開始された。
エアゾール式殺虫剤はキンチョールが日本初である。
家庭用液体タイプも1980年代前半まで生産されていたらしいが現在は業務用のみであるとのこと。

確かに強力殺虫成分の製品なので簡単には手に入らないほうがよい気がする。
近所の口うるさいおじさんの家の玄関の脇にはキンチョールの缶が五本ほど転がっている。
早く処理して欲しいがそんなことを言えるわけも無い。
殺虫剤って好きな人は大好きな気がするけど・・・是非統計でもとってほしい案件。

私はいくら虫の害があっても弱らせるならいざ知らず、殺すのは少し憚られる。
セミも毎日うるさいけど成虫の人生が2週間ほどであることを考えるといくらでも精一杯泣いてから逝けと応援したくなる。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

一言コメントする

メールアドレスは公開されません。

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

Related Posts