「すき焼き」 の由来
「すき焼き」 の由来についてまとめたエッセイです。由来だけ手っ取り早く知りたい人は下のほうまで飛ばして読んでね。
すき焼きには絶対に忘れられないエピソードがあります。
それは大学のときのことで、名古屋の友達が遊びに来た時のお話。
自画自賛で自分は料理が好きだし上手だと豪語していた友人。
何が食べたい?と聞くからすき焼きと答えたら、早速うちのキッチンで料理をし始めた。
全国津々浦々、場所が変われば料理の仕方も味も違うのは当然。
学生だからろくなものを食べていないし、元から好き嫌いも無い方だから軽く腹の足しになればいいやくらいで考えて待っていました。
一時間ほどしてやってきたのは、すき焼き・・・というよりは出汁のとられたしゃぶしゃぶといった感じの代物。
肉も野菜も平日のプールのように閑散とした鍋の中で浮いていてとてもとても関東人の常識からは「すき焼き」と認識できないような物。
それだけではなく、調味料が足りなかったのか?と思わせるほどの薄味でさすがの私でも不満が残り、空腹も満たされること無く、無駄に材料費だけかかったその鍋にだいぶ不満たらたらでありました。
未だにその鍋が彼の家独自の文化であっったのか、彼の実家の近所の文化だったのか単に彼の表現法が下手だったのかは謎ですが、後日作ってもらったパスタも驚くほど不味かったのはよく覚えています。
日本では幕末まで、牛肉を食べるという文化はなかったのだそうです。
ただ「すきやき」と称された料理はいくつか存在していました。
例えば1643年に刊行された料理物語には「杉やき」なるのもが載っておりこれは鯛などの魚介類と野菜を杉材の箱に入れて味噌煮にするという料理。
■「すき焼き」の由来
その由来については、その魚介類の味噌煮の「杉やき」からきたという説のほかにもすき身の肉(すきみ=薄切りの肉)を使うことから「すき焼き」と呼ばれるようになったとか鳥類・魚類の焼肉という「鋤やき」という料理からきたとかいくつか説があるようです。
「鋤」とは、土を耕すのに使う金属製の農具のこと。
その鋤の上で焼いたところからその名前は生まれたと考えられます。
日本では、宗教的な理由から昔は獣の肉を食べない習慣がありました。
そういった理由から人目につかない野外で調理していたのでしょう。
当時の「すき焼き」は、今でいうとどちらかといえば「焼き肉」。
今でいうような「すき焼き」のはじまりは、明治維新になってからだといいます。
外国の食材、料理法が入ってきたことで肉が公に食べられるようになったのです。
当時は「すき焼き」だけでなく「牛鍋」とも呼んでいたようで「すき焼き」という呼び方が多くなってきたのは大正時代に入ってから。
さてすき焼きで思い出されるのは大ヒット曲「上を向いて歩こう」。
この曲が「スキヤキ」というタイトルで全米1位を獲得したのは有名な話ですが、なぜタイトルが「スキヤキ」なのか?
それについては当時「すきやき」は、世界に知られる日本のことばの一つだったそうでより多くの人に興味を持ってもらうために、タイトルを変えたのだそう。
スキヤキ=日本で売り出したわけですね。
50年以上前のこのヒット曲でもわかるようにその頃には日本のみに留まらず世界に羽ばたいていたのだから大したものです。
世界でも大人気!
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