「麦粒腫(ものもらい、めばちこ)」 の由来
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言うものをご存知ですか?
というよりは聞いたことがありますか?の方が正しいかもしれませんね。
俗にいう「ものもらい」のこと。
そんな正式名があったことを私は知りませんでした。
「ものもらい」とはまぶたにあるマイボーム腺やまつ毛の根もとの脂腺の急性化膿性炎症のこと。
黄色ブドウ球菌の感染が主な原因だそうで、まぶたの炎症により痛みやかゆみを伴いますが失明などの重傷にはならないそうなので今現在かかっている私はご安心ください。
ほおっておいて自然に治癒する場合がありますが、悪化した場合には切開による膿の排出などが必要になるので腫れの程度によっては眼科受診が推奨されるとのこと。
それでも病院嫌いな私はきっと薬局で購入した目薬で済ませることでしょう。
■「麦粒腫(ものもらい、めばちこ)」の由来
一般的に言われている「ものもらい」という名前からか我々は伝染病だと思っていますよね。
しかし現実は他の人にうつることは少ないのだとか。
どうやらこの呼び名は、かつての日本に他人からものを恵んでもらうとこの病気が治癒するという迷信が存在したことからきているようです。
ただ細菌感染であるため、何らかの理由で細菌が目に入った場合には感染する可能性はあるそうです。
一般的には「ものもらい」でも、日本全国津々浦々調べてみれば様々な呼び名があるのだとか。
有名なところから、大阪では「めばちこ」、京都では「め(い)ぼ」、熊本では「おひめさん」、北海道では「めっぱ、めこじき、めんぼう、めぼい」といったように、様々な呼び名が存在するのです。
特徴的な例としては宮城県の「ばか」や佐賀県の「いぬのくそ」。
そのように呼ぶ人があったら出身県は間違いなくこの二つです。
さてその中でもお笑い文化と共に関東にも流入してきた「めばちこ」について。
ある会社の調査によるとめばちこの分布は大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の1府3県で、その使用率は8割を超えるのだとか。
年齢層も高年層から若年層まで平均的に使用されているのだそう。
その由来については、この病気の患者が目をぱちぱちさせる様からきているのではないかという意見もありますが、メ(目)にハチ(こじき)にコ(接尾)から来ているという説とその人気を二分しているようです。
その地方発の「めばちこ」が「ものもらい」を差し置いて、なぜ今日の主役になりえたかというとその圧倒的な存在感と全国への浸透率から。
近年は全国的に「めばちこ」と呼ぶ機運が高まりつつあるというのです。
やはりそこにはお笑い文化をきっかけとした関西への憧れや首都東京に対抗しうるパワーを兼ね備えたそのポテンシャルからなのかもしれません。
それと一番大きいのは誤解からにしても「ものもらい」という差別も感じるような元の名前の印象の悪さも関係していることでしょう。
迷信から来ているとはいえ、様々な誤解を生む「ものもらい」。
そろそろ潮時かもしれませんね。
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