「憂さを晴らす」 の由来

ストレスがたまって落ち込む。
誰しもそんな状況は経験があることでしょう。
そのストレスを解消するということを「憂さを晴らす」と言います。
しかしその手段といったら、酒を飲んだり大食いしたり、周囲に当たり散らしたりとあまりよい印象はありませんよね。
私自身も、自分が憂さ晴らしをしていると気付いた時にはそのことに更にストレスを感じることがあります。
周りに迷惑をかけるような憂さ晴らしは、やはり慎むべきでしょう。

■「憂さ」とは

気持ちが晴れないことや、思うに任せないつらい気持ちのことを「憂さ」と言います。
それを晴らすから「憂さを晴らし」であり意味は「気晴らし」に近いものです。
「憂さ」があまり聞きなれないのは、活用前の「憂い」ですら「物憂い」(物憂い ものうい 意味 なんとなく心が晴れない。だるくて億劫だ。憂鬱だ。)
意外にほとんど見当たらないという現代語の都合からでしょうか。

「憂さ」も単独で使うことがほとんどないので、その意味すらも忘れ去られつつあるのです。
「良い」と「良さ」、「濃い」と「濃さ」の違いと同様に「憂い」と「憂さ」の違いもご理解いただくとわかりやすいでしょうか。

備えあれば憂いなし

これは普段から準備をしておけば、いざというとき何も心配がないということ。
日ごろからの準備が大事であることを言っています。
勉強もせずにテストにのぞむような気持ちと表現すればご理解いただけるでしょうか?

心に煩わしさを持って生活するのは誰しも避けたいことです。
しかしその気持ちを晴らす手段は十分考えたいものです。
「憂」の漢字に人をつけると「優」となります。
人間だからこそ「憂さ」という感情が芽生えるのかもしれませんが、人間だからこそ、そこには「優しさ」を忘れないようにしたいものですね。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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