「置いてきぼり」 の由来
夏の夜はやはり怪談話。
そちらに疎い私は自らもゾッとした由来ストーリーをお送りすることにする。
置いてけ堀 置いてけ堀 置いてけ堀 置いてけ堀 ダジャレではない。
これが置いてきぼりの由来なのだという。
「置いてけ堀」が転じて「置いてけぼり」が誕生したのだ。
江戸本所七不思議(江戸時代ころから伝承される奇談・怪談)のひとつ、「置いてけ堀」。
江戸、つまり現在の東京も昔は水路が多く魚がよく釣れたのだそう。
夕暮れとなり、堀で釣った魚を持ち帰ろうとする釣り人たち。
堀に背を向けると堀から何かが聞こえてくる。
「置いてけ 置いてけ」
魚を放すまで堀の中から「置いてけ 置いてけ」とやむことがない。
恐怖に駆られて逃げ帰る人々。
家に着いて恐る恐る魚籠を覗くと・・・あれほどたくさんの魚が一匹も入っていない。
河童、おいはぎ、たぬき、すっぽんなどなど様々な説が存在するがとの真偽は不明。
その堀が「錦糸堀」であるとか「亀戸東方の堀」でおろうとか、いくつか説があるらしい。
このままではただの怪談となってしまうので笑いを一つ。
その堀は実は「堀切」でございまして、この地名はある時魚を逃がさないことにしびれを切らして登場した幽霊の下半身をお侍が切り離したことからきているのでございます。
それ以来というもの、幽霊は切られた堀沿いの柳の下で幾度となく登場するようになります。
下半身がないのは切られたせいでありますが、恨みはするものの侍にまた切られることを恐れ、また移動も容易な点から足を持たないものが増えたというわけでございます。
お後がよろしいようで。
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