「玄関」 の由来
玄関
毎日必ず通る場所。「玄関」
漢字を見る限り、江戸時代など境に存在した「関所」を私は想像します。
じゃあ「玄」は?
黒い色、天、老荘思想の根本概念、奥深くて微妙なこと、陰暦の九月、遊里での医者のことなど。
どれも当てはまりません。
単純な言葉の合わせではないようです。
その語源を調べてみましょう。
語源 由来
玄関とは、建物の主要な出入り口のこと。
もとは中国の「老子」のなかの
「玄の又玄なる衆の妙なる門」からの言葉で、日本へは鎌倉時代に禅宗でもちいられたそうです。
「玄」は奥が深い悟りの境地の意味。
「関」は入り口のこと。
これを二つ合わせて「玄妙な道に入る関門」。
奥深い仏の道への入り口を意味するようです。
なんだかたかが玄関がものすごく奥深く感じてしまったのは私だけでしょうか?
はじめはやはり寺の門などのことのみ差していたようで、住居の入り口にまで用いるようになったのは、江戸時代からのようです。
やはりそこには徳川家の仏教擁護が無関係とは言えない気がします。
でも各々の家が寺院のように奥深い悟りを切り開く。
そのための入門口として「玄関」なのであれば、それは民衆生活には誤った用い方と言い切ることはできませんね。
ちなみに禅宗への入門は難しかったそうですよ。
「入門をお願いしたいのですが・・」
「あいにく部屋がいっぱいです。あなたを受け入れる余裕などはございません。申し訳ございませんが、お引取りください。」
「いえ、私は入門させていただくまでここで待たせていただきます。」
数日して中からお声がかかる。
「どうぞ門を潜りなさい。」
このような厳しさも実は本人のため。
修行に対する甘い考えがなくなり、道を究める謙虚な態度が生まれるそう。
言葉の一つにも深いものが見えてきますね。
最近のコメント