Photo By carlos simioni
「ひぐらし」 の由来
夏の代名詞の生き物と言えばやはりセミでしょう。
あの騒音を聞いて、夏が来た!と思う人は少なくないのではないでしょうか?
みーんみんみんみんみーん つくつくぼうしつくつくぼうし ジージージー
どれも煩く、喧しく、耳障り。
なのに、あの声が無くなると、何故か寂しく夏の終わりを感じたり。
おいおいどっちなんだい、耳障りなのか、それとも季節を感じる大事なバロメーターなのかい。
同じように、秋を感じるセミがいるのを皆さんはお気付きだろうか?
その名は「ひぐらし」。
オスの鳴き声は甲高く、
「キキキキキ…」「ケケケケケ…」「カナカナカナ…」
といったように、人それぞれの聞こえ方がするようだが、「カナカナ」の表現が一番多いようで、そのことからカナカナ蝉とも呼ばれているらしい。
漢字表記は蜩、茅蜩、秋蜩、日暮、晩蝉などがあり、秋の季語にもなっているという。
名前の由来については、前記の漢字を見てもわかるように、その生態が関係しているようだ。
「ひぐらし」がよく鳴くのは日の出前、または日の入り後の薄明時。
また曇って薄暗くなった時、気温が下がった時、林のやや薄暗い場所などでは日中でも鳴く。
その中でも我々の印象に一番残っているのは、やはり夕暮れ時ですよね。
夕方の日暮れ時に鳴くことから「日を暮れさせるもの」としてヒグラシの和名がついたのである。
確かに子供の頃はあの鳴き声を聞くとどこかもの寂しくなり、家路を急いだものです。
夏と違って、日が暮れると急に気温が下がるので不安にもなります。
日が暮れることは、主に日中活動する我々動物にとってはマイナスの要素。
その日暮れを呼び込むような鳴き声だけに、やはりこのような寂しげな名前が付いたのですね。
ただ、聴きようによっては鈴虫などと同類に括れそうで、悪くはない鳴き声な気もします。
もっとも、秋そのものの存在がそうなのかもしれませんね。
最近のコメント