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「呂律(ろれつ)」 の由来
「呂律が回らない」とは、酒に酔った人や小児などの舌がよく動かず言葉がはっきりしない様子。
小学校の時、一つ上の学年に「呂律の回らない」先輩がいました。
何を聞いても赤ちゃん言葉のようで、我々も少し馬鹿にしていました。
「彼は少し足りないのだろうか」「可哀想に」
そんな感情を子供ながらに抱いたものです。
ところが、30歳を過ぎたある日、実家の近くで子供をあやす彼を見つけました。
話を聞くと、会社を立ち上げ独立し、家を建て、結婚をして子供にも恵まれ、まるで絵に描いたようなサクセスストーリー。
昔の面影がありながら、青年実業家を思わせるその話っぷりに少し違和感を感じた私。
人柄が関係しているのかもしれないな、、と家に帰って思い返してみた。
昔から何を言っているかはわからなかったが、ニコニコニコニコいつも笑顔で謙虚で、何かが足りなくても誰も意に介さないようなそのキャラクター。
社会的な評価だと、言われた仕事をしっかりと期日内に済ませる信用できる人材。
もちろん、現在はしっかり分かり易い言葉で会話ができていたのは言うまでもありません。
「呂律(ろれつ)」の由来
「ろれつ」は漢字で「呂律」と書き、「りょりつ」と読んでいたのだとか。
由来はその二つの漢字に秘められており、呂も律も雅楽(ががく)の音階名からきています。
雅楽を合奉する際に、呂の音階と律の音階がうまく合わないことを「呂律が回らない」といい、その表現の音が変化して「ろれつ」となり、今のような用い方になったのです。
「ろれつ」と音だけ聞くと、言いづらく、それ自体の発音が「ろれつ」が回っていないかのよう。
差別用語のようにも聞こえるけど、そこには実は微妙な音階の相違があったのです。
本人はもちろんちゃんと発音しているつもりだし、それが伝わっていないだけ。
ただこれは小児の場合であり、酔っぱらいのそれはまた別の問題ね。
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