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「がらくた」 の由来
その境は人それぞれのようである。
がらくた(ガラクタ、我楽多、瓦落多、瓦落苦多)とは使い道のない、役に立たない物のこと。
値打ちのない雑多な品物や道具類等を指すことが多い。
ただその中にも、リサイクル、リユース出来る物が多いことも事実。
さらに、物によっては骨董品と呼ばれ、価値を見出した収集家によってコレクションの対象とされることもある。
私も最近その道に目覚めてしまった。困ったものである。
取り壊される家にある物が全てお宝に見えてしまう。
家の歴史と同じだけ刻まれたそこにある物の全てに、時間の経過しかもたらせない味と、その時代にしか生産されなかった希少価値が折り重なって無限の付加価値がつく。
タンスをタンスで使わなくてもいいし、窓を枠にはめる必要もない。
ドアが意味のない場所に置いてあっても問題はないし、照明をガラスとして扱ってもいい。
そう考えると、タンスの価値がタンスだけで終わらないので大きな広がりを見せるというわけ。
だけどそこにはセンスというものが必要なわけで、それができるには人より多くのそれらガラクタに触れるという機会が必要となってくる。
だけど、巷によくある家中にゴミをため込んで周りに迷惑をかけているそれらしい人の最終到達点がそこにあるケースは、確率的に非常に低いというのは間違いがない。
「がらくた」の由来
がらくたという言葉は、”がら”と”くた”の二つに分けて考えると分かり易い。
”ガラ”は、「ガラガラ」という物が触れ合う音を表し、”クタ”はゴミ、チリ、クズを意味する「芥(あくた)」の略か、「朽ち(くち)」が訛ったものと考えるのが妥当なようだ。
漢字の「瓦落多」や「我楽多」、「瓦落苦多」などは全て当て字。
明治時代に発刊された同人誌の先駆けである「我楽多文庫」の我楽多などはそういった当て字の先駆けと考えられる。
ガラガラ音のする朽ちた物。
どこにもゴミを意味する言葉は見つからない…なんて一概には言えないけど。
漢字にはネガティブ要素を意味する「苦」「落」等も見られるが、逆にポジティブ要素「楽」「多」なども一緒に含まれる。
そこには、昔から人々がこれら”ガラクタ”を扱う際に感じる事は人それぞれであったことが伺える気がする。
価値のあった物が価値の無い物に変化するより、価値の無いと思った物が、付加価値に変化する過程を楽しめるかどうか。
そこには物を見る目、つまりはそれまでどれほど多くの物を吟味してきたかの経験が求められる。
骨董趣味が高齢者に多いのは、すべてを知り尽くした世代のその先の楽しみなのだろう。
だから若者世代には中々伝わらないのかもしれない。
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