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「片づける」の由来
私には自分語というものがあります。
世間の人が標準的に使う言葉も、自分の感覚で他の言葉に置き換えてしまうのです。
世間が正しいと評価しても、私の判断が別ならそちらを用います。
世間が略しても、その略語がしっくりこなければ用いません。
面倒くさい奴ですね。
その判断基準の中の一つに「片づける」があります。
片づけるの別の言い方に「片す」があるのをご存知でしょうか。
この言葉に最初に違和感を覚えたのは関西圏の人。
関西圏でこの言葉を聞いたほとんどの人が違和感を覚えるようです。
逆に、関東圏の人たちは彼らの使う「片づける」を意味する「直す」に違和感を覚えます。
辞書によれば「なおす(直す)」は、元の(良好な)状態に戻す事・本来の状態に戻す事。
当たり前と言えば当たり前。
「片づける」とは意味そのものが違って聞こえます。
整理すると、西では「直す」「仕舞う」「片づける」を使い分け、東は「仕舞う」「片づける(かたす)」を使い分けるようである。
どうやら「直す」は方言というよりは古語のようです。
古語によれば場面に応じて使い分け出来る言葉として「元の状態に戻す」場面では 「直す」「整理整頓する」場面では 「片づける」「物事の終わり」場面では 「仕舞う」と使い分けていたようですね。
これは今にも繋がります。
一方、関東圏でも「片す」が何なのかという疑問が沸き起こっています。
その結果を見ると、やはり標準語は「片づける」であり、「片す」は略語であるというのが定説のようです。
しかも、「かたす」は東京の方言であるという結論を見つけました。
これに驚いたのは私。
基本的に標準語を話し、東京に合わせることで田舎にいながら気取る。
そんな私はどちらを用いればいいのだろう?
「かたす」がいまいちピンとこない理由はハッキリしています。
それは、略していても言いにくいのです。
言葉を短くするのは言い易くするためのはずなのに…言いにくい!これは大問題。
「片づける」は意味も面白い。
物を適当な場所にきちんと入れ納める、整理整頓するはもちろんのことだが、他に仕事をすっかり終わらせる、物事をうまく処理する、これもわかる。
だが、 嫁入りさせる、じゃまになる者をいなくする、つまり殺す。
んん…物騒だが確かに使う。
共通するのは…どちらも厄介払い?
さて、その「片づける」の由来だが、正確なものが見つからない。
だが、直すとの対比から「一方に寄せる」から来ていると考えてよいと思われる。
曖昧な終わりだが、ここまでの展開の深さを読み解いたうえで今日は一つご勘弁を。
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