「おやかたさま」 の由来

大河ドラマ「江 ごう」を観ていました。
織田信長の姪御の話であります。
家来には豊臣秀吉、徳川家康ら、豪華な顔ぶれがひかえ、信長をこう呼ぶわけです。
「おやかたさま」と。
もちろん私は「親方さま」だと思いながら観ているわけです。
当たり前のように。

スマップ中居さんのバラエティ番組を観ていました。
メイド喫茶を訪れるといった企画です。
入場料を払い入店。
席について接客を受け、見渡すと秀吉の大阪城並に金色で満たされた個室を見つけます。
更に入場料を2500両(2500円)払うとその個室で特別待遇になるという。
そこでメイドが中居さんに問い直す。
「お屋形さまいかがなさいますか?」字幕が出たので間違いない。
こんな漢字であった。
屋形船の屋形である。
更に黄金の部屋に通されると「殿様」と呼んでもらえるらしい。
渋ったふりをしながらも個室へ移動する中居さん。
会計時にはなんと「ご出陣なさいますか?」と聞いたりする。
全く現代のサービス業ってやつは斬新でよくできている。
いや話の論点はそこではない。
おやかたさまの漢字は「親方さま」ではないのかという点である。

「親方」について調べてみると、

大工の棟梁など、大相撲における年寄りの敬称、フリーメイソンの階級の一つ。
そして、我々のよく知る「弟子を持ち、師匠の立場で監督・指導するもの」といった意味である。
なるほど。
徒弟制度ならまだしも、時は戦国、下克上。
いくら敬意を払っていても、明日には上下がいれかわるかもしれない。
それを象徴しているのが「本能寺の変」なわけで、武士の間での「親方さま」は成り立たないのかもしれませんね。
というか理屈でなく別の漢字が存在するのでしょう。

それが、「御屋形様」(おやかたさま)もしくは「御館様」となるわけです。
ということで屋形はひとまず置いといて「館」については、武家の棟梁(「家系の棟梁」という意味)は、その「家」を代表・統率・存続することに責任を負います。
言い換えれば「棟梁=家」ともいえるわけです。
棟梁は家=館を代表するものです。ですから「お館さま」となるわけです。
ということですが、一族が一つなら問題ありませんが血族ではない家臣達がこう呼ぶと違和感がありますよね。

そこでもう一つの「御屋形様」の登場です。
この呼び名は室町幕府成立以降にできたそうです。
なぜかといえば、足利将軍家が関係しております。
「屋形号」というものがあったそうで、これは将軍から与えられたのです。
当初は将軍のみが諸大名に対する免許権を持っていましたが、後に鎌倉公方である足利満兼が関東の諸大名に免許をだしたことで将軍・鎌倉公方による免許制となりました。大盤振る舞いですね。
屋形号は室町幕府でも守護以上の身分で遇される足利一門や、代々有力守護であって幕府の重職につく家や特に功績ある家柄、また、室町幕府の建設に功労ある家柄に許されたとか。
室町幕府滅亡後は、織田信長が大宝寺氏に屋形号を免許したという歴史があるそうです。
織田信長が鷹を献上してきた返礼として大宝寺義氏に対して屋形号を授けたとのこと。
つまりは、天下人の大名優遇策として用いられたようですね。
今の叙勲みたいなものなのでしょう。
我々のよく知る「屋形船」も「お屋形さま」からの流れかもしれませんね。
てっきり屋根がついてるからだと思っていましたが・・
「お屋形様」は家臣が認めたものでなく、将軍が認めた地位である。
これは大きな認識の違いでした。



著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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