「雷 いなずま」 の由来

自然のエネルギーってやつは我々の想像を遥かに超越しているのです。
もちろん地震に対しては皆さん今時点でナーバスになってることでしょうが、3・11被災した私の今までの体験では間違いなくこちらのほうが上でした。
今日は「雷 いなずま」について。

居間でくつろいでいたんです。
空は若干ゴロゴロ。雨は本降りだったけど、いつものことだからと今この時のように、パソコンに向かっていました。
すると突然右ほほに電気が走って三メートルほど先の電灯の辺りにバチン!と巨大なエネルギーの塊の存在を感じたのでした。
ゴロゴロゴロ~~ 落ちた。
かなり近くに。
幸い右ほほは痺れ程度だったので、恐る恐る電灯のほうへ向かい点滅を確認した。ここではない。
テレビ、レンジ、冷蔵庫、二階へあがりテレビ、照明、と一つずつ確認するが、どれも動作を確認できた。
なんで?落ちたのは間違いない。
座椅子に戻り位置関係を確認しなおして気づいた。もしかして・・
リビングからキッチンの照明辺りに光を感じたのだが、実はその先の風呂の脱衣所の先の窓。
その窓越しに感じたエネルギーだったようだ。
窓まではおよそ8メートル。更に落ちた場所はその先なのでおそらく最低でも10メートルは離れていたはず。
しかし不思議なのはやりすごしてから場所を確認したがそれらしい場所が見当たらない。
地面に焦げも見つからず、外のガスボンベや灯油缶やら工作物も一通り確認したが特に不自然な場所は見当たらない。
電線なのか・・これも後日メーター確認に来た係員に聞いてみたが、首を捻っていた。こんなことってあるのだろうか。
ただただ、右ほほの痛みだけは残っててそこだけ筋肉が強張っている。
本当に不思議な体験だったが、あのパワーの大きさは体験した人にしかわからないだろう。

雷 いなずま の由来

「かみなり」は中世以降に使われるようになった言葉でその由来は、想像どうり「神鳴り」からだそうです。
あの有名な鬼の姿や太鼓を打ち鳴らす絵画などをみても分かるように神様が鳴らしていると信じられてきました。
ちなみにそれ以前は「なるかみ」や「いかづち」と呼ばれるのが一般的でした。
「いかづち」の由来を調べてみると、「いか」は「たけだけしい」とか「荒々しい」などを意味する形容詞「厳し(いかし)」から。
「づ」は助詞の「つ」で「ち」は「水霊 みずち」や「大蛇 おろち」などのように、霊的力を持つものを表す言葉からだそうでやはりこの呼び名も当時の人々がその自然に恐れおののき、神様の存在を感じていた現れのようです。
現在でも方言や地域によって様々な呼び名が存在するようです。

その中でもう一つ気になった由来を。
「いなずま」(古来の表記は「いなづま」)稲妻
稲妻の由来は稲が開花し結実する旧暦(太陰暦)の夏から秋のはじめにかけて降る雨に伴い雷がよく発生したことに始まります。
その落雷によって大気中の窒素が田畑に固着されるため、落雷した稲穂は雷に感光することで実るという理解が生まれたのでした。
雷を稲と関連付けてその関係を稲の「つま(=配偶者)」と考えるようになり
「稲妻」(いなづま)、あるいは「稲光」(いなびかり)などと呼ばれるようになったそうです。
この考え方も、神様が鳴らした雷によって人間が恩恵を受ける。
やはり人知の届かない巨大エネルギーは神様の仕業で、それを乗り越えることで恵みを得るといった自然崇拝からできた言葉なのでしょう。
昔からこうして我々日本人は自然と共存する種族だったのです。

また雷が起きると、落雷よけに「くわばら、くわばら」と呪文を唱える風習があるのを皆さんは聞いたことがありますか?これは、あの学問の神様菅原道真の土地の地名であった「桑原」にだけ雷(かみなり)が落ちなかったという話に由来するそうなんです。
平安時代に藤原一族によって流刑とされた道真が恨みをはらすため雷神となり宮中に何度も雷を落とし、これによって藤原一族は大打撃を受けました。
唯一、桑原だけが落雷がなかったので後に人々は雷よけに「桑原、桑原」と唱えるようになったそうな。

最近巷で「想定外」なんて言葉が流行っていますが、いくら科学にどっぷり浸かった我々でも想像できない現象が起こりうるのです。それこそが神様の仕業なのかもしれません。
敵わない力に対して日ごろから謙虚に生きていくことが我々の進むべき道なのかもしれません。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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