「兎に角(とにかく)」 の由来
誰しも口癖ってありますよね。
自分ではそれほど気付かないし、気にならないのですが、話している相手からすると、実はものすごく気になっています。
自分の口癖は何だろう?
考えてみても何も浮かばなかったのですが、一つ思い当たることがありました。
「あれ」です。
私は記憶力がなく、おまけに面倒くさがりなので考えたり、説明したりが面倒だと適当に「あれ」と言ってしまうんです。
そのことに気付いたのはそれほど面識のない友人の友人と食事したときのこと。
異性だったので若干気になっていたのもあり、表情をよく観察していると一定の言葉で口元が緩むのです。
それが「あれ」ってわけ。
おそらく、これは推測ですが、友人と私のことで、そんな会話を交わしていたのでしょう。
「あいつ口癖あるんだよね。よく聞いててごらん。一分に3回は言うから。」
みたいな会話を・・・(憶測)
さてそれに気付いてしまったらさぁ大変。
それが気になって気になって仕方がない。どうにも会話に苦労したものでした。
自分の口癖ってあんまり気になりませんが、他人のはというとこれが異様に気になるものです。
最近は高校の後輩の「とかく」が気になって仕方ありません。
たぶん「とにかく」を意識して使っているのでしょうがたまにとにかくでは済まない会話をしていて理解に苦しむのです。
調べてみると、皆さんもこの区別には迷っておられるようで賛否両論の意見が見られました。
歴史に見ると、兎角この世は住みにくい(夏目漱石・草枕)= 兎に角この世は住みにくい = いずれにせよ、この世は住みにくいと漱石先生は同意語として用いられておられるようです。
大河ドラマにおいても「江」が「とにかく」の意味で用いていたので「使い方によっては同意語」といった解釈でどうでしょうか。
「兎に角」の由来
とにかくは、平安から江戸までは「とにかくに」として用いられてきました。
とにかくの「と」は「そのように」、「かく」は「このように」で、「あれこれと」とか「何やかや」といった意味でありました。
とにかく、私はこの漢字が不思議で仕方がないのです。
あの柔らかなウサギに角が・・・
そしてその意味が、何はともあれ、さておき、だというのです。
由来が気にならないはずがないのです。
調べてみると、これまでの流れを断ち切る意外な展開が!
兎に角はなんと当て字で、しかも「とかく」の当て字「兎角」を真似た当て字なのだそうです。
考えていた順番の逆でした。しかも当て字・・
その「兎角」は仏教語「兎角亀毛」からだそうです。
「兎角亀毛とかくきもう」とは、この世にあり得ないもの、実在するはずがない物事のたとえのことで、もとは戦争の起こる兆しのことを言いました。
「かめに毛が生え、うさぎに角が生える」
確かにありえない、起こりえませんね。
意味の面で、「兎に角」に関連性は見られないので、やはり単純に漢字を拝借したようであります。
この当て字を世間に広めたのがなんと既出の漱石先生なのだそうです。
こうしてみるともしかしたら「兎に角」は漱石先生の口癖(自らの流行り言葉の)だったのかもしれません。
兎に角が生えるわけはないんだけど、福島では耳のない兎が生まれたんだって。
ありえないことの喩えも時代の変化にっては変えていかなければならないのかも知れませんね。
とにかく・・ 「都に核」とかどうでしょうか?
実際にプルトニウムが飛んでいるんだから当て字でも洒落にならないか(笑)
最近のコメント