「なまはげ」 の由来
「なまはげ」 の由来についてまとめたエッセイです。由来だけ手っ取り早く知りたい人は下のほうまで飛ばして読んでね。
大晦日の日、青年が鬼の面をかぶり、藁(わら)でできた蓑(みの)を着けて木製の包丁や桶を持って家々を訪れる。
「悪い子いねがぁ。泣く子はいねがぁ。」
お馴染み??秋田名物なまはげさんのお決まりのフレーズです。
一度は見てみたという夢が叶いました。
なんと一年中「なまはげ体験」ができるというのです。
しかも30分おきに!!
場所はこちら「なまはげ伝承館」
見ると聞くとはやはり大違いで大変勉強になりました。
なまはげさんは、男鹿半島のたくさんの集落それぞれでそのビジュアルが違うそうなんです。
その種類は数十。角のないものもあれば、紙粘土仕様の若干お粗末なもの、中には「もののけ姫」に出てきそうな空想上の生き物のようなものもありました。(伝承館で確認できます)
その登場の仕方も想像とは違い大変興味深く、二人の「なまはげ」さんとお伺いを立てる人の三人セットが基本で律儀に挨拶や問答、おもてなし、酒の振る舞いなどがなされます。
筋道を立てた上で、このうちに「悪い子はいねぇが?」となるのです。
恒例の?「パチンコしている母親はいねえがぁ?」は笑いを誘います。
暗闇の茅葺家での体験ではありますが、「やさしさ溢れるなまはげさん」は必見です。
子供も大泣きかと思いきや、恐がりながらも時折笑顔も見えました。
是非お近くにお立ち寄りの際は見学・体験してみてください。
なまはげの由来
なまはげの「なま」は囲炉裏にあたりすぎると手足にできる「なもみ」という低温火傷からきているのだそうです。
このことはつまり、火に当たってばかりいて怠けているということを意味するわけです。
そこで怠け者の子供を戒めるためになまはげが登場し、「なもみ」を包丁で剥ぎ落とすのであります。
なるほど、目的があるので桶を持つわけですね。
家に帰ってから納得です。剥いだ皮を入れるのか包丁を研ぐためなのかは疑問ですが、命をとるわけではないことが桶で証明されています。
なもみを剥ぐので「なもみはぎ」と呼ばれるようになり、そこから転じて「なまはげ」となったのだそうです。
なんだか久しぶりになるほど、と頷いたのはきっと実物を見た上で納得されられたからなのでしょう。
すべての辻褄が合う。「生禿」ではなかったのです!
語り部・道先案内人が最後に語るのです。
60軒ほどあるその集落で、一軒当たり三杯ほど酒を飲まされるから青年団も二人で10軒が限界なのだそう。
そこで、交代しながら最後までまわるのです。
「なまはげ」も楽じゃない。
大晦日だから続けられるのだろうけど少子高齢化の現代で引き継いでいくのもなかなか大変なようである。
我々はそんな話を「愚痴」のように聞いていたのだけれど、よく見るとその語り部の目はきらっと光っていた。
まだまだ秋田にはそんな風習がまだ残っているし、これからもまだまだ続いていくのだろう。
なまはげが事あるごとに踏む四股は「7・5・3」と縁起を担いでいて、その蓑から落ちた藁を頭に巻くと勉強が出来るようになるんだって。
そんな一つ一つの「いわれ」が伝わっているのも確かに伝承されているからなのだろうね。
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