「龍角散(りゅうかくさん)」 の由来

「あれは臭くて無理。」
よく私の周りで聞く言葉です。
「いや、本当に効くんだって。」
それでもやはり「臭い」から無理という人も多いことでしょう。
今日は「龍角散」について。

龍角散といえばのど飴ですよね。
「ゴホン!といえば龍角散」このCMをご存知の方はおそらく昭和より以前の生まれの高齢のみなさんでしょう。
というのも龍角散は、人気演芸番組「笑点」(日本テレビ系列)のスポンサーを長くつとめ(1966年5月15日~1980年代)知名度を上げたからであります。
この番組のスポンサーをつとめたというのは非常に興味深いですね。
やはりニーズを考えればのど飴の主な客はおじいいちゃんおばぁちゃん。
そんな事実を知らされると若くしてヘビーユーザーの私は先が思いやられます。

■龍角散(りゅうかくさん)について

龍角散はもちろんのど飴に代表されるのど薬の名前でありますが、それだけでなく東京都千代田区にある製薬会社、株式会社龍角散 (Ryukakusan Co., Ltd.)つまりそのまま会社名でもあるそうです。
株式会社としての成立は1928年でありますが、龍角散は非常に歴史の古い薬であり、原型は江戸時代中期。
佐竹藩の御典医である藤井玄淵さんによって創製され藩薬として重宝されていたのだそうです。

■龍角散の由来

このお堅い、いかにも漢方薬といった名前の由来は・・
佐竹藩のルーツに続きます。
蘭学を学んだ 二代目玄信という方が西洋の生薬を取り入れ改良します。
更に三代目正亭治さんが、藩主である佐竹義尭の持病である喘息を治すためにこの薬を改良したのでした。
龍角散と命名されたのもこの頃のようです。
由来はその漢字どうり龍骨・龍脳・鹿角霜といった生薬からだそう。
ただし、これらの生薬は後の処方見直しの際に外されてしまったそうです。
しかしここで気になるのは鹿の角は分かりますが、龍骨と龍脳。
いったい何を用いたのか?

■龍骨

龍骨は、りゅうこつと読み中国語では longg? (ロンクー)と言います。
生薬の一種で大型の哺乳類の骨の化石のことです。
基原となるのはゾウ、サイ、馬、鹿、猪、牛などの仲間でありますがなかには恐竜の化石も含まれているそうで、
これが竜伝説となり、漢字にも反映されているという説もあるそうです。
炭酸カルシウム(50~80%)やリン酸カルシウムなどで構成されおり鎮静作用、収斂作用があるそうです。
鎮静作用ってことだけど、確かにカルシウムが足りないとイライラしたりするので的を得ているような気もしますね。

■龍脳

海外ではボルネオール (borneol) 、ボルネオショウノウとも呼ばれる二環式モノテルペンだそうです。
テルペンとは・・
テルペノイド(Terpenoid)のことで五炭素化合物であるイソプレンユニットを構成単位とする一群の天然物化合物の総称。
ちなみにボルネオールの化学式は C10H18Oと難しく書きましたがようするに・・木のエキス。
龍の脳樹はスマトラ島北西部のバルス(ファンスル)とマレー半島南東のチューマ島に多く分布しているそうで昔から香料として貿易の重要な商品だったそうです。
要するに匂いということは効能よりも気の持ちよう?

こうみると確かに今考えれば可笑しな配合で、でたらめな試行錯誤中みたいな感はいがめませんが漢方大好きな私に言わせれば「漢方ってそんなもの」なのかもしれません。
匂いだって大事な気付け薬にもなると私は思います。
それが匂いなら効能として、それが臭いなら不快感と人それぞれ効き目は違いますがね。

付けたし

「散る」については微粉末を表すのだそうです。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

1コメント

  1. 匿名 - 2015年3月1日, 2:57 PM Reply

    定番ですが、的を得る → 的を射る です。

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