「しゃっくり」 の由来
たいへん驚きました。
ギネスブックによると、世界最長記録保持者はアメリカのチャールズ・オズボーンさんで、1922年に始まり、亡くなる一年前の1990年まで68年間続いたのだそうです。
そのペースは多いときには毎分40回というから呼吸のスピードとそれほど変わりません。
それでも普通の生活を送っていたというから世界は広いのだと改めて感心させられます。
さて何の話でしょうか?
今日のテーマは「しゃっくり」。
しゃっくり(噦り、吃逆、嗝)とは、横隔膜の強直性痙攣や、声帯が閉じて「ひっく」という音が発生すること。
これが一定間隔で繰り返される現象のことを言います。
飲食物や会話などの刺激がきっかけでおきることが多いですが、明確な原因がなくても起こることもあるそうです。
これは気をつけなければなりませんね。
試験の前、プレゼンの前、会議の前、デートの前、そんな緊張も伴うような場面で「ひっく」なんてやってしまったら10分の1くらいの可能性でその場が和む場合もあるかもしれませんが大方のケースでは苦笑いを伴い、後々に悪い印象が残ってしまうことでしょう。
ただ、これも生理現象の一つと考えられ、我慢のしようもないから困ってしまいますよね。
「しゃっくり」にまつわる話を一つ思い出しました。
それは運転免許の更新に訪れた警察署の講習室。
優良講習でもビデオを見せられるのですが、その担当の女性が説明に来るや早々に「ひっく」ばつが悪そうにビデオの電源を入れて「ひっく」ビデオが始まり退出して廊下を歩きながら「ひっく」20分ほどの終わりごろに登場するやいなやまたまた、まだまだ「ひっく」とうとう最後までそのしゃっくりは終わることがありませんでした。
その時のビデオの内容も、訂正箇所の説明も、教本の内容もほとんど覚えていませんが、彼女の顔としゃっくりの音だけはいつまでも頭の奥底でリピートされ続けます。
そんな「しゃっくり」ですが、まれに横隔膜の炎症や腎臓病、脳腫瘍といった疾患からきているケースもみられるそうです。あまりにも止まらないときには早期受診をおすすめいたしたします。
■「しゃっくり」の由来
しゃっくりは、「しゃくり泣き」「しゃくり上げる」といったように使われる「しゃくり」が音便化した言葉なのだそうです。
(音便化とは、発音の便宜によって語中・語末で起こった連音変化のことをいう)
しゃくりは、くりぬく意味の「さくり」が変化した言葉でなので「しゃっくり」「しゃくり」「さくり」は同じ意味で使われることもあるようです。
くりぬく意味の言葉が「しゃっくり」や「しゃくり」に由来するのは、腹がくりぬかれたような感じがするためと考えられます。
実際にくり抜かれることはありませんが、長く続くと呼吸が苦しくなったり胸が痛くなったり「くり抜かれる」という表現も遠からず近からずほどよい加減かもしれませんね。
英語では、「ヒカップ」(hiccup またはhiccough)というそうで、これはしゃっくりが発生した時に出る、「ヒック」という音から連想されたようです。鶏の鳴き声同様に各国で聞こえ方は若干違うようですが。
ドイツ語では「シュルックアウフ」、スペイン語では「イポ」、フランス語では「オケ」。
ロシア語では「イコータ」、フィンランド語やノルウェー語では「ヒッカ」「ヒッケ」といった具合で、最後の二国については以外にも日本語の発音に近いようですね。
しゃっくりの多くは数分で止まるのご通常ですが、先ほど述べたように疾患が原因の場合もあるので気をつけたいものです。
さて、どうしても困った場合を想定し、いくつかの民間療法を紹介すると12対ある脳神経の一つであり、第X脳神経とも呼ばれる迷走神経を刺激する方法が効果的なようです。
迷走神経は頸部と胸部内臓、一部は腹部内臓に分布するとのことなので確かに的をえているます。
その方法は一般的に言われている水を飲む行為のほかに、舌を引っ張る、目をこするといったこと。
舌や目については私も初耳です。
他にもお腹のストレッチ、甘いものを口に含む、深呼吸といった方法も効果的のようですね。
忘れた頃にやってきて、忘れた頃に終わっているのが「しゃっくり」。
それでも来るときのタイミングくらいは空気を読んで欲しいものですよね。
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