「ガセネタ」 の由来
親しい友人のお見舞いに行った帰りのことだ。
病室じゃタバコが吸えないというので建物の外の自動販売機の前で談笑していた。
足を骨折した友人だが、ほぼ完治していて後は退院前の最後の診察を待つばかり。
服装も夏だからTシャツに短パンなので普段着に近い。
オシャレな友人はその姿にカラフルなスニーカー。
髪はもともと洗わなくてよいドレッド。
私はというと、運動帰りのジャージ姿にサンダル。どちらかといえば私が入院しているかのよう。
するとそこに噂話が大好きな近所のおばさんが通った。
こちらは気づいたのだが、それほど人気のない好かれていないおばさんなので挨拶もすることなくスルーした。
するとおばさんはこりゃいいネタを仕入れたとばかりに車に乗り込んだフリをしてこちらを注意深く観察している。
私は私でこりゃいい!と閃いて、友人を病室に送るときに私の方がわざと右足を引きずりながら手を引いてもらった。
おばさんに背中を向けた瞬間2人とも笑いが止まらなくて体を震わせながら廊下を歩いてゆく。
帰りは裏口からそっと帰宅した。
後日、近状の人が集まる場で案の定私の話が出た。
どうやら通風で歩けないとか、糖尿で苦しんでいるとか、交通事故をおこしたとかありもしない噂が飛んでいた。
私はそれを見越して忘れ物を届けるふりをして登場。
みんなの視線が集中したので、何々?と白々しく辺りを見渡してから座り込み何が起きたのとわざとその中で一番たちの悪いボスザルに聞いた。
一通り聞き終えると、次は事情聴取hw移る。それぞれの言い分と情報の出所を調査する。
自ずと一人に行き着くという寸法だ。
あわてるおばさんに反撃の暇を与えないように私はすかさず切り出した。
「そういえば〇〇さん。〇〇病院でお会いしましたよね?私は友人のお見舞いで訪れたのですが、あなたはどこか*お*悪いのですか?」
その時の苦虫を潰したような顔のおばさんの顔は今でも忘れない。
皆さんもおばさんのガセネタには十分注意しましょう!
■「ガセネタ」の由来
ガセネタとは、偽情報、事実と異なる嘘の内容からなる情報のこと。
まぁようは作り話なのかもしれない。
ガセには、もともと偽物という意味があるのだそうで人騒がせ(ひとさわ「がせ」)からきたという説が有力らしい。
確かに聞いてみて一番しっくりきて納得できる由来であろう。
ネタはについては、商品という意味の種(タネ)からきていると考えられる。
近年、ネタという言葉が警察やマスコミ関係者の間で「情報」という意味で使われるようになったことで「偽情報」という意味でのガセネタも一般人の間でも広く使われるようになったと考えるのが妥当なようだ。
またガセネタとは的屋の隠語からきているという説もあるらしい。
「偽物」を意味する「がせ」と的屋の隠語で「商品」を意味する「ねた」を組み合わせることで、「まがい物」「まやかし物」「偽物」といった意味になるのだそう。
ここで一つ気になる言葉が浮かんだ。
それは、いい加減なことを表す「でまかせ。」これはもしかしたらデマとガセからできているのだろうか?
*正解* でまかせの由来は、「口から出るに任せる」からきているとのことで全く無関係だそうです。
デマについても、「扇動」「扇動政治」を意味するドイツ語「デマゴギー( Demagogie)」を略した言葉からきているので「デマ+ガセ」という私の考えた説は全くの誤りのようです。
確かに、デマにガセじゃ「いい加減」程度じゃ済まされないですよね。
でももったいないから、冒頭に出てきたおばさんを心の中では*デマカセおばさん*と呼ぶことにします。
もういたずらしないからそのくらいいいですよね?
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