「イチジク」 の由来
小学校の頃、友人の家の塀の近くににあった奇妙な木のことをよく覚えている。
ある時期がくるといつのまにか膨らんできて実がなって先が割れてきて赤い果実が顔を出す。
一度食べてみたんだけど、感想は「これが大人の味ってやつだ。」ってドヤ顔で語ったその家の主である友人Aの感想通り。
それ以来、その木の前は素通りで気にかけることはなかった。
そんな少年時代のほろ苦い思い出の詰まったイチジクを今日は取り上げる。
■イチジクの由来
最近は漢方として、また更年期に効くなど民間療法・健康食品としても取り上げられているイチジク。
イチジクはクワ科イチジク属の落葉高木で漢字では無花果とか映日果と書くそうです。
「無花果」の字は、花を咲かせずに実をつけるように見えることからきているそうで漢語から。
「映日果」は、中世ペルシア語「アンジール」を当時の中国語で音写した「映日」に「果」を補足したものだそう。
また、驚いたことに原産地はアラビア南部とか。不老長寿の果物とも呼ばれている
というからやはり果物というより薬のような感覚なのかもしれませんね。(だからあまり美味しくないのか・・・)
イチジクという名前の由来についてはいくつかあります。
1ヶ月で熟すとか、毎日1個ずつ熟すという意味での「一熟」が 変化して「いちじく」になったと言う説が定説だといわれますが、先ほどの中世ペルシア語「アンジール anjir」からきた中国での音訳語「映日果」(インジークオ)が更に転音したものという説もあります。
イチジクは原産地の西アジアから中国経由で江戸時代の寛永年間に日本に渡来したとされており、伝来当時の日本では「蓬莱柿(ほうらいし)」とか「南蛮柿(なんばんがき)」また「唐柿(とうがき)」などと呼ばれていたのだそう。
どれも「異国の果物」を意味していたようです。
今日一番の驚きは、日本独自のものと勝手に勘違いしていたイチジクが大陸から流れてきた、また原産がアラビアということですね。
由緒正しき友人宅に生えているから代々~なのかと勘違いしていました。
太さからいっても、気まぐれな友人の父がホームセンターで購入したと考えるのが妥当なようですね。
原産国の土地柄を考えると、この*花があるのかないのかわからない不思議な食べ物*は水分補給にも重宝されてきたことでしょう。
不老長寿の果物というのも納得できる気がしますね。
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