「お盆とお彼岸」 の由来
日本人はお墓参りが大好きです。
おかしなことに宗教観はなくてもお墓参りは欠かしません。
正月には神社、結婚式は教会、亡くなればお寺の墓地へはいります。
お布施は言われるがまま払い、自分の代で途絶えても永代供養を申し出て旅立ちます。
主にお墓参りを欠かせないのが年に三回。お盆と春と秋のお彼岸です。
今日はこのお墓参りの日、「お盆」と「お彼岸」について調べたいと思います。
どちらもその名前については前から不思議でした。
なんとなく仏教用語である気はしますが、その意味については全く未知・無知であります。
それぞれ、三月・八月・九月。これもなんとなく疑問。
なぜ一月足らずで再びお墓を訪れるのか?
そんな疑問も解決できたら嬉しいです。
今日は同時に二つの言葉を調べることにしましたが、それには訳があります。
どちらも経緯が同じようなのです。
その語源はサンスクリット語(古代インド語)にあり、漢字に訳されて更にその漢字を用いて略語ができあがったということです。
お盆は、サンスクリット語「ウラムバナ」の音写「盂蘭盆(うらぼん)」の略。
ちなみに「ウラムバナ」の意味は手足を縛って逆さまに吊るすということです。
恐ろしや・・汗
「盂蘭盆(うらぼん)」から「盆」と略されるようになったのは、供物などをお盆に盛り、先祖の霊をもてなしたことからだそうです。
当て字のようなものから、うまく風習に引っ掛けたのですね。
平たい「お盆」は無関係ではありませんでした。
お彼岸の方はというと、サンスクリット語「パーラミター」を漢訳して「到彼岸(とうがん)」。
さらにそれが略されました。
煩悩に苦しむ此方の岸「此岸」に対して、修行によって悟りの境地に達したこと意味する彼方の岸が「彼岸」となります。
彼岸は極楽浄土も意味し、西方の遥か彼方にあると信じられてきたそうです。
彼岸の中日、春分・秋分には、太陽が真東から昇り、真西に沈みますよね。
沈む太陽と共に、彼岸を想う。そして自分も何れその場所へ無事に旅立つことを祈る。
それが「彼岸」の始まりだそうです。
なるほど、三月・九月には意味があったのですね。
更に、お盆とお彼岸は別の行事と考えたほうがいいようです。
お彼岸は中国から言葉と共に伝来しましたが、元からあった日本独自の習俗が結び付いて生まれたもののようです。
その証拠に、彼岸の行事はインドにも中国にもない日本独特の行事なのだそう。
ではどんな習俗があったのでしょうか?
それは古来からある太陽信仰が発祥だと言われています。
日に対して掛ける祈願「日の祈願」が「日願」になったとも言われているそうです。
なるほどこれは漢字も納得です。
太陽信仰に西の極楽浄土が結びつき生まれた。
なんとも説得力があります。
西の仏教大国である中国・インド、元からの太陽信仰である天照大神。
お彼岸は神仏習合が生み出した日本独自の風習のようです。
正月には神社、結婚式は教会、亡くなればお寺の墓地へ・・
そんな現代人も後世に新しい行事・習俗をクリエイトするかもしれません。
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