「なんでも無料症候群」 の由来

コラムのタイトルは「なんでも無料症候群」スポーツ観戦高齢化

寒い冬が過ぎ、ポカポカ陽気の春の到来に浮かれる我々。
花見やバーベキューといったアウトドアがしたくなる季節。
そしてこの時期を待っていたかのように、野球やサッカーが開幕する。

私の父親は野球党であったので、よく球場に連れていかれたのを覚えている。
ジャイアンツにもジャビットにもビール売りのねぇちゃんにも興味は全くなかったが(かわいい売り子から必要もないのに何杯も購入する仕事終わりのサラリーマンは見ていて面白かったけど)東京ドームへ行くのと、会場の雰囲気は楽しかった。
応援の始まる様子や会場の広さに人の数、ルールはよくわからなかったけどボールが自分の近くまで飛んできたり、その場でしか味わえない経験というものがある。
思い出はたくさんできたし、生で見るのは楽しいというのをその時に覚えた気がする。

大きくなって自分で好きなものを観戦できるようになったら、サッカースタジアムに通った。
特に浦レッズが面白い。会場の一体感は、その後に訪れた海外のそれとそれほど遜色はない。
最近少しだけ度が過ぎたみたいだけど。

さてコラムのタイトルに話を戻すと、最近の若者というのはなんでも無料で済ませるためスポーツ観戦に訪れる人の平均年齢が高齢化しているというのだ。

■「なんでも無料症候群」の由来

確かに便利な時代である。
映画やスポーツはユーチューブで、音楽は無料ダウンロードで、新聞や雑誌の代わりはインターネットで十分。
そのため民放の大リーグ中継も苦戦しているのだという。
彼らは何でもかんでも「ロハ」つまり只、無料であることが当然と考えているのである。
そんな冷静な分析をしたのは作家の石田衣良さん。

情報誌に連載中のコラムで、「なんでも無料症候群」という言葉で最近の若者エンタメ事情を表現・解説したのだそう。
20代で金をつかわない人は40代でも金をつかわないだろうと将来を憂いたという。
それだけ便利な世の中になったということなのだろうけど少しだけ淋しい気がするのはなぜだろう。

確かにエンターテインメント事体も豊富になったものだ。
スポーツでなくても、様々な種類の音楽にプロから素人にまで及ぶ絵画や趣味の展覧会、週末のイオンモールなどでは毎週無料イベントが催されている。
そんな中でスポーツに限れば減退の一途であるのは間違いないことだろう。
チケット代に交通費、お弁当を始めとした飲食、場所によってはスタジアムが近いというだけの田舎で駐車料金まで取られる・・・
こんなことを書く私もなんでも無料症候群?

もっともスポーツ観戦にそこまでの価値があれば誰もそれを喜んで払うはずであろうが、日本のそれにはもう一つ、もう一歩努力が必要なのは間違いない。
例えば大リーグのスタジアムでは、野球観戦を楽しむ親子連れには楽しみがある。
それは飛んできたボールはすべてもらえるのだ。
だからキャッチボールもできないような少年がグラブを手にして観戦している。
子供にとってはそれだけでも十分スタジアムに足を運ぶ理由になりうる。
しかしスポーツには強みがある。それは一度しかチャンスがない点だ。
他のものに比べて一発勝負であるため同じものを二度とみられないというわけ。

一層のことどうだろう。テレビ中継や結果の報道を一週先に伸ばしてしまうのだ。
早く結果が知りたければ会場に足を運ぶしかない。
どうせ視聴率がとれないのならやめてしまえばいい。
そうすれば会場に足を運ぶ人も増えるはずだ。
一度運べばこっちのもの。スポーツにしかない生の感動を味わえる。
嘘をつかないことも大切である。プロとしてガチンコの勝負が見たい。

「あれ」以来どうも相撲を見る気がしない。
それもやはり、一度国技館に足を運べば気持ちは変わるのだろうか?




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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