「ぴったり」 の由来
「ぴったり」が言えない子供がいる。
いくら練習しても「ピッタシ ピッタシ」を連呼する。
その言い方が自信満々だから、どことなくおやじギャグを発するご年配に照らし合わせて周りにも笑みがこぼれる。
そういえば昔「ぴったしカンカン」ていうテレビ番組があったけど、当時彼が生まれていたとは考えられない。
よく考えてみるとほかにも、 ゆっくり を ゆっくし ばっちり を ばっちし やっぱり を やっぱし がっくり を がっくし がっかり を がっかし といった間違いとも言えない用い方が存在することに気付く。
このように副詞の語尾の「り」が「し」になって使われている例って結構多いみたい。
だからといってそれが幼児言葉であるとか、女房言葉だとかそんなことは当然ないわけ。
■「ぴったり」の由来
ぴったりがどこから来ているかというと、どうやら古語の「直と」「専と」(ひたと)からのよう。
それが「ひたと」から「ぴたと」から「ぴたりと」から「ぴったりと」といった経緯をたどり今のように使われるようになった。
「じかに」「直接」「ぴったり」の意味が、現代語の「ぴったり」となったのである。
ちなみに「ぱぴぷぺぽ」の発音は近代に登場したひらがな。
主に擬音語・擬態語などに使われるので、「ピタっ」とする感じを強調しているのだろう。
もしかしたら、それが更に進化する瞬間に我々は居合わせているのかもしれない。
「ぴったりと」が「ぴったり」となり、さらに「ぴったし」へと移行する歴史の変わり目である。
その意味は「ぴったりなんだけどその姿がどこか笑える」なんてどうでしょうかね。
同様に上記の言い回しを説明してみましょう。
ゆっくし 遅すぎるにも程がある
ばっちし 根拠はないけど自信満々
やっぱし そうだとは思っていたけど骨折った相手にリスペクト
がっくし それほど残念には思っていないけど周りにあわせてみた
ぐわし 勝利を確信
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