「野暮(やぼ)」 の由来
世情に疎いことや垢抜けしないことを野暮という。
逆に「ナウい男」といえば吉原といった遊里に詳しい男、いわゆるチャラオ?
これは江戸時代の話。
遊里に疎い男は、しゃれっ気もなく、つまりは粋にも疎い。
その漢字から「野に暮らす人」つまり「農夫」に由来があるという説がある。
確かにイメージ的に、農家のおじさんが夜のお遊びがお盛んだったとは考えにくく(今の時代の農家のおじさんは必ずしもそうとはいえないだろうけど)野暮の由来としてその漢字を見れば納得。
もう一つ楽器から来たという説がある。こちらは漢字は当て字という前提から。
雅楽に使う茎という楽器は十七本の管をもつのだが、そのうちの「也」と「亡」といわれる二本だけは音が出ないのだそう。
中国の古い時代には音が出ていたのだそうだが、時代と共にみせかけのものとなってしまった。
そのことから「也」と「亡」の二字を連ねて時代遅れの古臭いものを「やぽう」というようになったというのがその説。
「やぼう」が江戸時代に「やぼ」と変化し「野暮」と当て字がのってけられた。
そして現代、野暮用とは野暮な用事、つまり粋ではない用事のことをいう。
遊びや趣味と違い、仕事上の用事であったり、取り立てて言うほどではない、つまらない用事をさす。
どこへ何をしに行くか答えたくない(もしくは教えられない)ため、お茶を濁すことを目的に使う場合が一番多いのではないだろうか。
「今日はヤボ用だから」と言って友人を置き去りにし、異性のもとに向かう。
彼氏や彼女、恋人のもとへ向かうのを「野暮」といってしまうと意味からすれば、自らがその用事に対して粋な捉え方をしているようにみえるがその由来から考えると粋の真逆となることが面白い。
自らは上がるだろうが、相手に対しては非常に失礼であろう。
野暮の類義語同義語を探るとデリカシーがない、野育ちの、粗野な、田舎じみた、俗悪な、洒脱でないイキでない、しゃれが分からない、面白みのない・・・・
使い方はよく考えた方がいいですね。
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