「おちょこ」
最近の若い者は酒の付き合いができない。そんな先輩サラリーマンの声をよく聞きます。
若い者は空気を読まない。いえいえ、職場以外でまで読んでいられますかと。これは若者の意見。
気の合う仲間となら話は別。店に入るなりみんながみんな「ビール」と叫んでいます。
ビールが落ち着くと次は焼酎。不思議なもので皆この飲みかたしますよね。私の周りだけでしょうか?
会社の上司と共に忘れ去られた日本酒。そして今日のスポットは「おちょこ」完全に忘れ去られる前に調べておきましょう。
漢字では御猪口、猪の口と書きます。ついているかついていないか分からないほど小さなものってこと?(私の憶測)
ぐい呑みとお猪口の違い
一つ確認しておかなければなりません。日本酒を飲む場合に使う器がもう一つありますよね。
ぐい呑みです。違いは?
お猪口(おちょこ)は、飲み口が広く底がすぼんだ形をしたぐいのみよりは、ちょっと小ぶりなものおこと。
ぐい呑み(ぐいのみ)は、ぐいっと飲むからとか、ぐいぐい飲むから言われますが、どうなのでしょうか。
大きさは、お猪口よりも一回り大きな器を言うようですね。
日本酒を飲む場合に、徳利(とっくり)とペアで用いるのは、だいたいお猪口の方でしょう。
ちびちび注いでゆっくりとお酒を楽しむ印象がありますよね。
ぐい呑みは、ボトルや一升瓶がら、どぼどぼっと入れて、飲むといった印象があります。
まぁ私が年配のかたと飲む場合は埒があかないと「コップもってこ~い。」ですが、きっと日本も豊かになった証でしょう。
昔は日本酒飲めるのなんて冠婚葬祭やお祭りくらいだったでしょうからね。
言葉の由来
「ちょく(猪口)」が転じた言葉だと言われているそうです。
「ちょく」の語源はよくわかっていませんが、「ちょくちょく」というような、ちょっとしたものを表す「ちょく」や、真っ直ぐ素直な飾り気の無い様を表して「直 ちょく」からきていると考えられている。
一般的には、お猪口の語源は「鐘(しょう)」の福建音や朝鮮音などの「チョング・チョンク(chong)」という言葉からきていると考えることが多いようです。
大陸からきた言葉?ただ、鐘という漢字。梵鐘など、重いものをさすことが多いようです。
それに、日本には元々料理に用いる前出の「猪口」という言葉があったそうで可能性は低いようですね。
漢字そのまま猪の口の形から?という俗説もありますが、当て字なので語源ではないそうです。
最後に関連して二つほど。
へなちょこ
未熟なもの、取るに足りないもの。
語源は明治時代の新聞記者が神社の境内の酒宴の席で、使ったお猪口が「埴(へな)」で作られたお粗末なものだったため「へなちょこ」と呼んだことからきているという説があるそうです。
猪口才
小生意気なこと。こざかしいこと。
語源は「ちょこ」は目立たない小さな動作のこと。
才は才能で、ちょっとした才能が原義。そこから利口ぶって生意気に発展したそうです。
そんな感じで独自の説では「小さなちょっとした器のこと」でどうでしょうね。
先輩から後輩に一言。
「ちょっとお猪口で気軽に飲みに行かないかい。仕事の話は抜きでさ。」
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