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「バレエ」 の由来
似て非なる言葉はたくさん存在する。
その多くは、発音やアクセント、それまでの文章構成からそれが何を意味するかをお互いに判別することで区別する。
では今日の二つはどうだろう。
”バレエ”
バレーボールと踊るバレー。
どちらも体を動かすという点で一致している。
特に児童の習い事のケースでは勘違いが起こるケースが多いようである。
そのたびに注訳をつけて確認作業に入るわけだが、それが「ボールを使う方」とか「踊る方」とか「レオタードを着る方」とか、どれも的を得てはいるがおかしな表現ばかりであることが笑える。
そこで確認だが、踊るほうは「バレエ」なんだって。
実は知らなかった。
いよいよ判別の方法の難しい言葉だが、ほとんどの人は常用しない言葉なので、その都度、前記で登場した注訳の中から一つ選び、お互いの勘違いのないよう対応いただきたい。
「バレエ」の歴史と由来
バレエは、西ヨーロッパで生まれた。
歌詞や台詞を伴わない舞台舞踊と、その作品を構成する個々のダンスのことを言うのだそう。
その歴史の最初はルネッサンス期のイタリア。
宮廷内で詩の朗読、演劇などの余興の一部としてバロ(Ballo)と呼ばれるダンスが生まれた。
宮廷の広間で貴族たちが歩きながら床に図形を描いていくもので、それをバルコニーから眺めるというのが当時の楽しみ方であったという。
16世紀になると世俗合唱曲が流行し、その歌に踊りを加えたバレッ(Balletto)が生まれる。
それがさらにバレッティ(Balletti)と呼ばれるようになった。
このバレッティ(Balletti)がフランスに持ち込まれ、現在のようにバレ(Ballet)と呼ばれるようになる。
持ち込んだのはイタリア、フィレンツェのメディチ家からフランス王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスという人。
ルイ14世に至ってはバレエに大変ご執心な様子がうかがえ、自らも出演したという歴史が残されている。
そのバレがバレエとなったわけだが、その「エ」については後付なのか、それともフランス語の聞き取り中での日本人の誤解なのかは私の知るところではない。
どなたか語学に堪能な方教えてください。
しかし、これは逆に「バレ―ボール」分けるための一つの手段としては最適かもしれない。
「バレー」と「バレ」なら違いが出やすい。
通ぶりたいなら「バレ」と言ってしまえばいいけど、ほとんどの人には通じないから違う注訳、いわゆる「うんちく」を述べる手間が生じる。
そうなると「ボールの」とか「踊る」と説明した方が数倍早いと言った具合だ。
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