「きりたんぽ」 の由来

きりたんぽとは、秋田地方の郷土料理のことです。
漢字では切蒲英と書きます。読めないですね。
炊き立ての米をついてつぶし、太い杉の串に竹輪のように練りつけて焼いた物のことです。
単純に田舎風に味噌を塗って食べたり、「比内鳥(ひないどり)」の地鶏スープを醤油味にして出汁を取り鶏肉や野菜をともに煮て「きりたんぽ鍋」として食べるのが主流のようです。
「きり」はやはり切ることだそうで、切る前の段階でのきりたんぽのことはただ「たんぽ」というそうですが勘違いしている人が多いようです。
私も最初に食べたのが味噌塗りだったので、それがきりたんぽだと最初は思っていました。
実際売る側も「きりたんぽ」と明記してますしね。
ところが、居酒屋でたのむと当然のように鍋が出てくるわけです。
これには最初戸惑いました。真夏だったし・・
こちらは「たんぽ」を二つに切ったものが入ってるので「きりたんぽ」となるわけですね。
食べてみるとすごく出汁がきいていたんですが、これが比内地鶏からだとは知りませんでした。
しかし、名産品の合わせ技とは素晴らしいですね。
それがベストマッチ。
冬なら体も温まってきっと最高なはずです。

きりたんぽの由来

「きり」については「切る」で納得ですが、「たんぽ」にはまだ疑問が残ります。
「たんぽ」は「たんぽ槍」というものに由来するそうです。
「たんぽ」とは本来稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだものを指し、杉の棒に半殺し(半分潰すという意味)のご飯を巻き付けたところが、たんぽをつけた槍(たんぽ槍)に似ていることからその名が付いたそうです。
それでもタンポが想像できない?
タンポは、拓本を採るときにも使います。
墨をつけて叩く道具のことです。
書や絵をかくときの筆に当たるあれのことです。
更に、この形を流用して刀剣用のタンポが生まれました。
これはタンポに砥石の粉末を内部に含ませて、日本刀の刀身を払拭するものであります。
そして更に更に槍術の練習用として、棒の先端にタンポをつけた「たんぽ槍」に発展した・・のかは定かではありませんが、これだけ説明すれば、その姿を想像できるのではないでしょうか。
どれかしらは時代劇等でご覧になったことがあるでしょう。
しかしこうして書いてみると、使っているうちにこれもどうかあれもどうかの便利品だったみたいなおちがたまらないですね。
お値打ち品「たんぽ」さんです。

また調べるうちに、「綿を丸めて球状にするところから、語感が似たタンポン(綿球)に由来する語と誤解されることがあるが、両者の間には特に関係ない。」という説明書きを発見しました。
そうあれはきりたんぽ鍋をつついている時。
隣のテーブルの10歳くらいの男の子が「あぁ きりたんぽん」ってうちのテーブルに向かって大声で叫んで親御さんに怒られていました。
名前だけでなく、その由来を知ったなら間違いとはいえなお更気になるところです。
調べてみれば他の方からも同様の疑問があるから驚きと笑い。
しかしはっきりと、「タンポン」は「Tampon」というドイツ語で「綿球」が由来と書かれていました。
これでもちドイツに「きりたんぽ」があったら・・面白いんだけどなぁ。




著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

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