「トマト」 の由来
トマトは野菜なのか、果物なのか。
もちろん野菜なのだろうけど、フルーツトマトなんて品種の存在や真っ赤というそのいで立ち、そしてその可愛らしいトマトという名前がそんな疑問を生み出すのだろうか。
■「トマト」の由来
トマトの祖先となる植物は南アメリカ西部のアンデス山脈周辺が原産地だと言われている。
ヨーロッパに流入したのはコロンブスの航海以降。
それまではヨーロッパの人たちはトマトという野菜を知りませんでした。
当時の文献には、アステカの一種族であるナファ族の女性が赤唐辛子とカボチャの種、香草、そしてトマトゥル(tomatl)を混ぜてソースを作ったとあるのだとか。
この「トマトゥル」というのがずばりトマトのこと。膨らむ果実という意味だったよう。
厳密にはトマトゥルには赤いトマトと食用ホウズキの両方の意味があり、今でもメキシコではその名残があり、食用ホウズキのことを緑色のトマトを意味する「トマト・ベルデ (tomate verde)」と呼ぶのだとか。
16世紀前半にスペイン人がトマトを持ち帰った時に、現地の呼び方をとり入れてトマトを「トマテ」と呼ぶようになりました。
ですがこれはスペインでのお話。
イタリアでは未だに「熟すと黄金色になる」ことから「ポモ・ドーロ(pomod’oro = 黄金の果実)」と呼びフランスでは19世紀まで「ポム・ダムール pomme d’amour 愛の果実)」と呼ばれていたとか。
トマトが日本に伝わったのは江戸時代の寛文年間頃。
当初は独特の青臭さと真っ赤な色が敬遠され、観賞用だったのだとか。
名前も「唐柿」と呼ばれていたようです。
食用とされだしたのは明治以降になってからだが日本人の舌には合わなかったみたい。
昭和になると日本人が好むような品種が入るようになり一気に広がりを見せる。
今となってはなくてはならない野菜トマト。
その歴史は意外にも紆余曲折だったのですね。
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