「一入(ひとしお)」 の由来
喜びも、感激も、感慨も・・・ひとしお。
口語としてはよく用いますが、文語としては用いたことがありませんでした。
「喜びも一塩!」
一塩・・・魚や野菜に軽く塩を振ること。
味が増すってこと?甘いスイカに塩をかけるあの感じ?
■「一入(ひとしお)」の由来
「ひとしお」とは、ほかの場合より程度が一段と増すこと。
副詞的に用いることが多いそうで、同義語として「いっそう」や「ひときわ」がある。
ではなぜそこで塩味を足すのかというと…
ここで私は大きな間違いに気づくのだった。
「ひとしおとは『一入』と書くというのだ。」
どう読もうとしても読めない。こういった場合は覚えるしかない。
何かいい覚え方でもないものか・・・それには由来が持ってこい。
「一入」は染物からその由来が来ていて、字のごとく「一回浸すこと」と覚えるとわかりやすいらしい。
「しお」は染め物を染料につける回数のこと。
「ひとしお」なら一回、二回つけたなら「ふたしお」なんだけど漢字が「再入」と書くから逆に覚え辛くしている。ここは忘れよう。
そこから何回も色濃く染め上げることを「八入(やしお)」「百入(ももしお)」「千入(ちしお)」さらには「八千入(やちしお)」と言うとは蛇足かな?
一回つけるたびに色が濃くなり鮮やかさが増すことから、「いっそう」や「ひときわ」といった意味になるわけだ。
「ひとしお」は現代と同様の意味で古く平安時代頃から用いられてきたらしい。
本来、「しお」は平仮名で表記されていたわけだが、染め物を入れる意味からの当て字として漢字「一入」が生まれたというわけ。通りで読めないわけだ。
・・・と、久しぶりにきれいにまとまりすぎた由来メモでしたとさ。
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