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「寒天(かんてん)」 の由来
寒天(かんてん)とは、テングサ(天草)、オゴノリなどの紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したもの。
日本国内の流通量は2000年以降、工業的に製造された輸入品の数量が国産品を上回っているという。
つまり、日本の食材の多くと同じように外国産が多いということですね。
ちなみに牛や豚から作られるゼラチンに似ているが、化学的には異なる物質なのだそう。
菓子の材料に用いられることが多く、私のような食に疎い人間でもあんみつの中身がそれであると容易に想像がつきます。
その注目の高さはやはりダイエット効果。
理由はほとんどカロリーがないことだけでなく、腸において油や糖分の吸収を妨げることから。
「寒天(かんてん)」の誕生と由来
寒天の誕生はなんと江戸時代の初期。徳川家綱の時代だといいます。
参勤交代で江戸に向かう途中だった薩摩藩の島津家。
現在の京都府にあたる山城の国で、伏見の駅御駕籠町にある美濃屋太左衛門さんという人が営む旅館「美濃屋」に泊まることとなりました。
美濃屋太左衛門さんは、このうえない名誉だと大はりきりで様々な料理でもてなします。
その中の一つに天草を煮て作ったトコロテンの料理がありました。
島津家が宿を後にすると、気が抜けたのか片付けも疎かに。
残ったトコロテン料理は戸外に放置される始末。
トコロテンはそのまま数日間忘れられ…まぁよくある話です。
美濃屋太左衛門がようやくそれに気づき見てみると、トコロテンは見事に自然乾燥し、白くて美しい干物に変身していたというではないですか!
好奇心旺盛で忘れっぽい美濃屋太左衛門さん(ただの想像です)
この白くて美しい干物に興味を持ち煮立たせてみることに。
すると、なんと元に戻るとな。
そんなことを繰り返すうちに味もいいことに気付く。
これはいいと大喜び。
美濃屋太左衛門さんがこのトコロテンで一財産を築いた…のかどうかは不明ですぁ。
名前の由来についてはこれを試食した隠元禅師という方が登場します。
その質素さを知ってか、精進料理の食材として活用できると奨励。
名前が決まったてないことを聞き、「寒空」や「冬の空」を意味する漢語の寒天に寒晒心太(かんざらしところてん)の意味を込めて、寒天と命名したのでした。
なるほど、偶然の産物「寒天」。
そんな昔話を思い出しながら今度じっくり味わってみようと思います。
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