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「ほうとう」 の由来
そばよりのうどん派。
そんな私でも苦手なものがあります。
それは「ほうとう」です。
ほうとう(饂飩)は、山梨県(甲斐国)を中心とした地域で作られる郷土料理。
生地は木製のこね鉢で水分を加えた小麦粉を素手で練ってつくります。
出来上がった生地はのし棒を使って伸ばされ、折り重ねて包丁で幅広に切り刻まれる。
生地にはグルテンの生成による麺のコシが求められない
ということで、そこがうどんとは異なるのだそう。
そうです。コシがないんですよね。
また、うどんとの大きな違いがもう一点。
塩を練り込まないのだそう。
だから麺を湯掻いて塩分を抜く必要が無く、生麺の状態から煮込んで味がつけられます。
見た目も家庭用の市販品などはうどんより幅広く、やや薄い形状をもち、料理店などではボリューム感を出すために極広厚の麺を使うというのも違いです。
汁は味噌仕立てでとろみが付き、出汁は煮干しで取り、具は野菜が中心。
夏にはネギ・タマネギ・ジャガイモ、冬はカボチャやサトイモ・ニンジンや白菜
その他シイタケ、シメジなどのキノコ類を入れます。豚肉、鶏肉などを入れる場合もあり。
その中でも具のカボチャを煮崩して溶かしたものが美味であるとされていますが、どうやらこれが私にとっては不得手な理由のようです。
とろみも苦手なら、かぼちゃの甘みも苦手。
でもその地方で育って小さい頃から食べていればきっとそれが普通なのでしょう。
それと今日まで勘違いしていました。麺にかぼちゃが含まれているわけではないのですね。
あまりの存在感とインパクトなので、ほうとう=かぼちゃだと思っていました。
■「ほうとう」の由来
「ほうとう」の由来はいくつかあるようで、有力と考えられているのは中国から禅宗と共に渡来してきた「ハクタク 饂飩(はくたく)」の音便したものであるという説。
《音便(おんびん)とは、日本語の歴史上において発音の便宜によって語中・語末で起こった連音変化のこと。》
饂飩とは、うどん粉を水でねって切ったもののことで、奈良時代の漢字辞書である「楊氏漢語抄」や院政期の漢和辞書である「色葉字類抄」において「白澤 ハクタク ハウタウ」として見ることが出来るそうです。
この「はうたう」から「ほうとう」を想像することは容易なことですよね。
このことによって「ほうとう」は「うどん」以上に歴史のある食品でるという驚くべき事実見えてきます。
有力な説がもう一つ。
それはハタク・ハタキモノ説。
山梨県の郷土民俗研究からだと、「ほうとう」の呼称は江戸時代中期の甲府勤番士日記「裏見寒話」において見られるそうで、小麦粉で作った麺に限らず、穀物の粉を用いた料理全般について、「ハタキモノ」と呼び、粉にする作業を「ハタク」と呼ぶ事から、「ほうとう」の語源はそのハタク、あるいは穀物の粉を意味するハタキモノが料理名に転用されたのではないかと考えられるそうです。
他にも「信玄が自らの刀で具材を刻んだ」といった武田信玄に由来するとすることから俗説としての「宝刀」説や、空いた手間と時間で放蕩することが出来るために、ほうとうという名称になったとする「放蕩」説などがあるようです。
しかし、どれもほうとうに関係する由来については信憑性が薄いそうで観光食化する過程でさまざまな歴史的知識が関係して、推論が重ねられることでいくつかの由来ができあがったと考えるのが妥当なようです。
確かに、私も実際に山梨県を訪れたら、居酒屋の看板に当たり前のように「宝刀」と書かれていました。
すると不思議なもので、「ほうとう」がその土地の出世頭武田信玄に関係がるものだと自然と考えてしまうものです。
それなら・・・苦手だけど食べてみるかとお店に入ったのでした。
そしてやっぱり「ほうとう」は苦手だなと確認してお土産に二袋買って帰りました。
匿名 - 2012年9月19日, 2:37 PM
不思議
sung jong - 2013年4月24日, 10:09 AM
本にほうとうには塩を練りこむと書いてあったのですが
あ - 2018年2月7日, 7:19 PM
すごーい
匿名 - 2018年7月14日, 6:40 PM
やりますねぇー
匿名 - 2019年1月17日, 9:08 AM
(饂飩)は、ほうとう ではなく うどん という漢字だと思うのですが・・・
ほうとう という漢字はパソコンやスマホでは表示しにくいですね。
との - 2019年8月25日, 11:09 AM
嫌いなのは、ほうとうではなく、カボチャなのでは?汗