「いいちこ・吉四六(きっちょむ)」 の由来
大学生の時、時給につられて居酒屋でバイトしたことがあります。
今考えてみれば18そこそこだったので、居酒屋というもの自体に体験が無く何も知らないからできたバイトだと思います。
今やるか?と聞かれたらやりたくないバイトワースト3に間違いなくはいることでしょう。
なぜかって?
酔っ払いの相手をしなくてはならないし、タバコ臭いし、時には客がもどしたトイレの清掃・・・
数ヶ月とはいえよくやったものだと当時の自分を褒めてやりたいものです。
その時は厳しく感じた店長ですが、社会人となった今では当たり前のことを言ってくれていた気がします。
社会を知らなかった自分には反発心がありましたが大変いい経験をさせてもらいました。
そこはチェーン店ではなく、ある意味ちゃんとした居酒屋で日本酒の種類も充実していた気がします。
私はまだ日本酒がどういうものかというのをあまり知らなかったので客に言われるがままに、コップから升にこぼし、更に擦り切れるまで注ぐ、店にとっては利益にならない店員でした。
その店には焼酎も置いてありましたが、私は焼酎という存在もよく知らなかったので言われるがままに「いいちこ」と「きっちょむ」を適当に運んでいました。
■いいちこ 吉四六(きっちょむ)の由来
その時の疑問が時を越えて今解決します。
「いいちこ」と「きっちょむ」は、どちらも大分県の焼酎という繋がりがあるそうです。
「いいちこ」の名前の由来は、なんと一般公募なのだそう。
販売元の三和酒類が、昭和54年に新しい麦焼酎を発売するにあたって地元の新聞社を通じて一般公募をしました。
「いいちこ」とは、大分の方言で「いいですよ」という意味。
肯定する言葉であり、その響きのやさしさも親しみやすさも感じ非常にいい言葉ですね。
一方、吉四六(きっちょむ)はというと、こちらは江戸時代の庄屋さんの名前から。
その人の名前は、廣田吉右衛門さんと言います。「きっちょむ」とは、この「きちえもん」が転訛したものだそうです。
吉四六にまつわるとんち話、吉四六話というものがあるらしく吉四六は一休、彦一と並んで「とんち者として広く知られているとか。(私は知りませんでした)
彼は出世してからも権力を嫌い、弱者や貧しい人に味方をしたことから、義雄扱いもされているのだそう。
そのおかげで非常に庶民から人気が高く、焼酎の銘柄にも用いられているというわけ。
そのような形で今でも多くの方から名前を呼ばれる吉四六さん、そのことからも人柄がうかがえますね。
全く違った由来を持つ二つの大分発の焼酎。
いつまでも店頭に並んで置かれていることを願います。
その姿を見るたびに私は当時のことを思い出すことでしょう。
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