「デビアス」 の由来
「婚約指輪にはダイヤモンドを」
男性にとっては迷惑な話、女性にとってはお得なお話。
ダイヤモンドといえばデビアスであるが、この上記のフレーズを作り上げたのも実はデビアスの上手なマーケティングの成果なのだという。
デビアスは「ダイヤモンドは永遠と愛の象徴」として、婚約・結婚指輪の理想であると様々なキャンペーン活動を展開した。
ロマンス映画中で結婚祝いとしてダイヤモンドを用いたり、雑誌や新聞中にダイヤモンドのロマンチックな面を想起させるストーリーを掲載、ファッションデザイナーや流行仕掛け人を雇い、ラジオやテレビで流行を広め、更には英国王室にダイヤモンドを献上したという。
大切なのは人々にブランド名を植え付けることなく、ただダイヤモンドの理想的な永遠の価値を表現するという点
この作戦が大成功したおかげで、世の男性が苦しんでいるわけである。
■「デビアス」の由来
美しいものには裏がある。そんな発想を常にいだくへそ曲がりな私。
ダイヤモンドと言えばアフリカ。デビアスの創成を探ってみる。
デビアスは1888年セシル・ジョン・ローズという人 が設立した。
会社の名前は、ヨハネス・ニコラス・デ=ビアとディーデリック・アーノルダス・デ=ビアという二人のアフリカーナー人農民(宗教的自由を求めてヨーロッパからアフリカに入植した人々が合流して形成された民族集団)の農場名からきているのだそう。
元々は二人の農場だった場所でダイヤモンドが発見されラッシュに沸く。
一攫千金を狙ってたくさんの人々が押し寄せてきたわけだ。
農場を維持することができなくなった二人は6300フランで農地を売ることに。
デビアスの創業者セシル・ローズは、ライバルであるキンバリー鉱山も吸収統合し圧倒的なシェアを実現。
一代にして巨万の富を築き上げた。(裏付けなしの憶測です)
さて、ここからはダークな情報求める私のような人間のための時間。
金やダイア鉱山での労働者の需要が高まった19世紀も後半。
労働力の大部分はコイコイ人とコサ人の季節労働者(夏に賃金のためにダイア鉱山で働く若者)であった。
しかし彼らの労働力はかなり不安定で、かつ会社側はダイヤモンドの横領を常に警戒していたという事実からデビアスは労働者の囲い込みを行った。
契約期間中、坑夫は現地に滞在しなければならない。
白人労働者は街に住むことを認められていたが、
黒人労働者は会社提供の安いモロコシビール等と物々交換することでの生活が要求された。
アパルトヘイト時代になると更に悪化し、囚人を労働力に使う許可が会社に与えられ、19世紀末までデビアスは10,000人以上の刑務所労働者を使用していたという話もある。
そういった話の上に、永遠の輝きが存在する。
それをどのように捉えるのかという問題は、各々の考え方で私はいいと思う。
最近のコメント