しがらみの由来

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「しがらみ(柵)」 の由来

私には好きになれない言葉がいくつかありますが、今日はその一つ。
「しがらみ」について。

我々は社会生活をおくる上で、たくさんの括りや環境に身をおいて生活しています。
例えばそれは会社であり、家庭であり、趣味のサークル、ご近所付き合いや学校の先輩後輩などのように自然と上下関係が出来る付き合いもあります。
確かにそういった中で、波風立てずに平穏に暮らしたいと思うのは全ての人の願いであり、希望でもあります。
しかし、それだけでは我々がよりよい社会を形成したり、充実した生活をおくることはできません。
人が集まればその数だけ意識というものが働き、その数だけエゴが存在します。
そういった中で、倫理に反することなく法を侵すことなく規律を守りどれだけ多くの人が理想と思える状況に導くかというのは大変難しい問題です。
一人一人が思っていることを言えれば、本来は正しき道に通じるはずです。
日本人とはそういった民族です。

ところが、お互いの利益や人間関係がはたらくと物事がおかしな方向に進み始めます。
そこにはたらいているのが「しがらみ」です。
本来の自分の考えとは違った方に作用するように、ひき留め、まとわりつき、邪魔をします。
なんだか怨念とか心霊とかそんな類に見えますが、心を揺り動かすという意味では同様の存在ともいえるかもしれませんね。

■「しがらみ」の由来

しがらみにはもう一つの意味があります。
それは、水の勢いを弱めるため、川の中に杭(くい)を一定の距離に打ち並べ、柴(しば)や竹などをからみつけたもののことです。
つまりそれは、「柵さく」のことで、現在でも漢字の「柵しがらみ」として残っています。
その柵が転じて、人が生きている中でまとわりつき、引き止めるものを柵、しがらみというようになったようです。由来もその「柵」からきているそうです。

実際にその由来となった柵が残っているといいます。
それは、あの伊勢神宮だというから驚きですね。
内宮の入り口、五十鈴川にかかる宇治橋の脇にそれがあります。
全長100メートルの木造の宇治橋の上流部分7~8メートルに何本もの杭が打ち込んであります。
これがその「しがらみ」なのだそう。
上流から大木や雑木が流れてきた時に、杭にまとわりつかせることで直撃するのを回避し橋を守る役割を持ちます。
この「しがらみ」という言葉は、もともとは建築用語で歴史は古く、かの万葉集にも登場するとのこと。
この忌々しいはずの、「しがらみ」の起源が神聖な伊勢神宮にあると知り、複雑で不思議な気分です。

■しがらみの類語

経緯・義理・鬱陶しい・腐れ縁・束縛・結び付き
関係・社交・因縁・世事・煩わしい・絡み合う・邪魔・繋がり

やはり現代ではいい意味には取れそうにありませんね。



著者: tossie
居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

1コメント

  1. あまとう - 2017年7月15日, 3:29 AM Reply

    わたしはしがらみという言葉にネガティブなイメージを持ちませんね。
    しがらみは愛しいものにもなり得ます。家族の間にあるしがらみはとても複雑なものです。
    穏やかであろうが激しいものであろうが言葉はただの言葉です。ネガティブなイメージを植え付けて一方的に忌避するというのは、言葉自体をスケープゴートにして自分のどす黒い内心を隠す卑怯な行為とすら考えています。
    放送禁止用語や差別用語等、程度の差こそあれ、世で悪し様に言われることも多いが自分は好きな言葉というのは誰にもあるのではないでしょうか?
    ただの判官贔屓かも。(笑)

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